賃貸物件を探す際、和室が選択肢になることも多いですが、「和室はやめた方がいい」といった声もよく耳にします。畳の傷みや掃除の手間、退去時の出費など、気になる点が多い一方で、落ち着いた雰囲気や家賃の安さなど和室ならではの魅力も存在します。和室の賃貸を検討する方が納得して選べるように、メリット・デメリットや注意点、さらに快適に暮らすための工夫やリフォームのポイントまで、幅広く解説します。自分のライフスタイルや希望と照らし合わせながら、後悔のない物件選びを目指しましょう。
賃貸の和室がやめとけと言われる理由を徹底解説

賃貸の和室は根強い人気がありますが、「やめたほうがいい」と言われる理由もいくつかあります。これから和室のデメリットについて詳しく解説します。
畳のカビやダニ発生リスクが高い
和室の大きな悩みのひとつが、畳のカビやダニです。畳は湿気を吸いやすい性質があり、特に梅雨時や換気が不十分な部屋ではカビやダニが発生しやすくなります。これが原因でアレルギー症状が出る人もおり、家族に小さな子どもやアレルギー体質の方がいる場合は注意が必要です。
また、畳は構造上、内部に湿気がこもりやすいので、定期的な換気や除湿、畳干しが推奨されます。しかし、賃貸では畳のメンテナンスが難しいことも多く、知らないうちにカビやダニが増えてしまうリスクがあります。安心して暮らすためには、湿気管理や定期的な清掃が不可欠です。
退去時の原状回復費用が高額になりやすい
和室の賃貸では、退去時に原状回復費用が高くなるケースがあります。畳は家具の跡や日焼け、汚れがつきやすく、数年住むと新品同様に戻すことが難しくなります。たとえば、畳全体の張り替えや、一部だけの修繕でも費用がかかりがちです。
特にペットや小さな子どもがいる場合、畳の傷みが早まる傾向があります。契約内容によっては入居者負担になることもあるため、契約前に原状回復のルールや負担範囲をしっかり確認しましょう。退去時のトラブルを避けるためにも、日ごろから丁寧に使うことが大切です。
家具と畳の相性が悪くへこみやすい
和室に洋風家具を置くと、畳がへこんだり傷ついたりすることが多いです。ベッドやタンス、椅子などの脚が畳に食い込み、元の状態に戻りにくくなります。畳は弾力性がある反面、重たい家具には弱い素材です。
長期間家具を置いた部分だけが変色したり、へこみが目立ったりすることもあります。賃貸物件では、こうしたへこみや傷が原状回復費用の対象になることも珍しくありません。家具選びや配置には十分な注意が求められます。
古い物件が多く設備が時代遅れ
和室のある賃貸物件は築年数が古いケースが多く、設備が古いままの場合も見られます。たとえば、浴室やトイレの設備が更新されていない、断熱や遮音が不十分、といった問題が出やすいです。
新しい生活スタイルに合わせた機能が不足していることも多く、使い勝手に不満を感じることもあります。物件選びの際は、和室の雰囲気だけでなく、設備面もあわせてチェックすることが重要です。
掃除やメンテナンスの手間がかかる
畳や障子、ふすまといった和室特有の素材は、洋室に比べて掃除やお手入れに手間がかかります。畳の掃除には専用の方法が必要なうえ、障子やふすまも破れやすいので細かな注意が求められます。
また、カビやダニを防ぐために定期的な換気や天日干しも推奨されます。一方で、こうした手間を楽しめる人にとっては和室の魅力にもなりますが、忙しい現代人にとってはデメリットとなりやすいです。
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賃貸和室ならではのメリットと魅力

賃貸和室には敬遠されがちな点もありますが、実は多くのメリットや魅力も存在します。和室ならではの良さを知ることで、選択肢の幅が広がります。
家賃が比較的安い物件が多い
和室付きの賃貸物件は、同じ広さ・立地条件の洋室より家賃が低めに設定されていることが多いです。築年数が経過している物件が多いことや、和室自体が新築で減少傾向にあるため、需要がやや落ち着いているのが理由のひとつです。
そのため、コストを抑えて広めの部屋を借りたい人や、立地にこだわりつつ家賃負担を減らしたい方にとっては大きなメリットといえます。予算の都合で妥協しがちな方も、和室物件を視野に入れることで選べる物件が広がります。
押入れ収納が充実している
和室の特徴のひとつが大きな押入れ収納です。布団はもちろん、季節用品やアウトドアグッズ、大きめの荷物も収納しやすい構造になっています。クローゼットより奥行きがあるため、工夫次第でたくさん収納できるのも魅力です。
また、押入れは仕切り板やボックスなどでカスタマイズもしやすいです。収納スペースが広いことで、部屋自体をすっきり使いたい方や収納が多い生活スタイルの方に向いています。
生活音が響きにくく静かに過ごせる
畳はクッション性があり、歩行音や物音をやわらげる効果があります。マンションやアパートで気になる上下階や隣室への生活音も、和室なら少し軽減されます。
また、畳の弾力性で室内の音も吸収されやすく、静かな環境で過ごしたい方や在宅ワークをする方にはメリットとなるでしょう。音に敏感な方や落ち着いた空間を求める方には、和室はおすすめの選択肢です。
夏は涼しく冬は暖かい断熱性がある
畳は断熱性・調湿性に優れており、夏は涼しく冬は暖かさを保つ効果があります。夏場は素足で畳の上を歩くとひんやりとした感触があり、エアコンの効きも良くなります。
冬場も畳の層が床下からの冷気を遮断しやすいため、フローリングと比べて足元の冷えがやわらぎます。一年を通して快適に過ごせる工夫が自然と備わっている点が、和室の魅力です。
畳の香りや居心地の良さを味わえる
新しい畳からは独特の香りがし、リラックス効果を感じる方が多いです。和室の雰囲気や畳の手触りは、洋室にはない落ち着きや心地良さを与えてくれます。
また、横になってごろごろできるのも大きな魅力です。和の伝統的な空間でゆったりとした時間を過ごしたい方には、和室の居心地の良さが大きなメリットとなります。
賃貸和室が向いている人とおすすめしない人の特徴

和室の賃貸は、向き・不向きがはっきり分かれる傾向にあります。どんな方におすすめなのか、逆に注意したほうがよい人はどんなタイプかをまとめます。
家賃を抑えたい人や広い空間を求める人
家賃をできるだけ抑えたい方や、同じ予算で広い部屋を借りたい方には和室賃貸が向いています。前述の通り、和室は洋室より家賃が安い場合が多く、間取りも広めの傾向があります。
また、空間に余裕があるため、趣味のスペースや作業場としても使いやすいです。価格重視や広さ重視の方で、多少の手入れや古さを気にしない方にはおすすめできます。
和室の生活や畳が好きな人
和室の雰囲気や畳の感触が好きな方は、和室賃貸での暮らしを楽しめます。畳の香りや、座布団や布団でごろごろ過ごすスタイルが好きな方には最適です。
また、和室は和風インテリアや季節ごとのしつらえが映えるため、日本文化や伝統的な暮らしを大切にしたい方にも向いています。趣味やライフスタイルに和の要素を取り入れたい方におすすめです。
掃除や手入れが苦にならない人
和室のメンテナンスを面倒に感じない方、掃除が好きな方にも向いています。畳や障子の掃除、湿気対策など、日常的な手入れを楽しみながらできる方なら、和室のデメリットも気になりにくいでしょう。
また、こまめな掃除でカビやダニの発生も抑えられます。家事に手間をかけることが苦でない方や、自分の手で部屋を快適にしたい方にとっては、和室での生活が充実します。
小さな子どもやペットがいる家庭は注意
小さなお子さんやペットがいる家庭は、畳の傷みや汚れに注意が必要です。畳は引っかかれたり、飲み物をこぼすと汚れが残りやすいため、頻繁な交換や大きな修繕が必要になることもあります。
また、ペットの抜け毛やおしっこが畳に染み込むと、においやカビの原因になります。思わぬ出費やトラブルを防ぐためにも、和室の掃除や管理に自信がない場合は慎重に検討しましょう。
最新の設備や洋風インテリアを重視する人には不向き
最新のキッチンやバスルーム、洋風インテリアにこだわりたい方には和室賃貸はあまり向きません。和室のある物件は設備が古いことが多く、現代的なデザインや機能とはギャップを感じやすいです。
また、洋風の家具を置くと畳が傷みやすいため、インテリアの自由度も制限されます。快適さやデザイン性、最新設備を重視する方は、洋室物件を中心に探すのが安心です。
賃貸和室を選ぶ際のチェックポイントと注意点

和室付き物件を選ぶときは、トラブルを防ぐためのチェックポイントがあります。入居前にしっかり確認し、後悔を避けましょう。
畳の状態や築年数を必ず確認する
物件見学の際は、畳の劣化具合や汚れ、色あせ、柔らかさなどを細かくチェックしましょう。畳がふかふかしすぎたり、表面がささくれている場合は、交換時期が近いサインです。
また、築年数が古いと設備や内装も傷みやすい傾向があります。管理状態やリフォーム歴も確認し、納得できるまで大家さんや管理会社に質問しましょう。入居後のトラブル防止のため、現況の写真を残しておくのもおすすめです。
湿気やカビ対策ができるかを調べる
和室は湿気がこもりやすいため、除湿機の設置や通気性の良い間取り、日当たりなども重要なポイントです。窓の配置や風通し、換気設備の有無もチェックしましょう。
また、畳の下に防湿シートが敷かれているか、過去にカビの発生があったかも確認しておくと安心です。入居前に湿気対策を施すことで、健康面や住み心地を向上させられます。
退去時の費用や契約内容を事前に把握する
契約書には、退去時の畳の交換費用や原状回復範囲について明記されていることが多いです。賃貸契約前に、どの程度の傷や汚れが自己負担になるのかを必ず確認しましょう。
不明点があれば、管理会社や大家さんに具体的なケースを質問し、納得したうえで契約するのが安心です。トラブルを回避するためにも、書面での確認や証拠写真の保管が有効です。
家具配置やレイアウトの工夫が必要
畳の上にそのまま家具を置くと傷みやすいため、脚カバーや敷板(ベニヤ板)などで保護する工夫が求められます。家具の配置を頻繁に変えることでへこみや変色を防ぐことも可能です。
また、畳の部屋に合う家具やインテリアを選ぶことで、部屋全体の雰囲気を統一できます。家具の重さや脚の形状を考慮し、畳を傷めない工夫を取り入れましょう。
近隣の生活音や虫対策も要チェック
和室物件の多くは木造や古い構造のため、防音性や虫の侵入対策も確認する必要があります。近隣の生活音が気になる場合、窓や壁の防音性をチェックしましょう。
また、畳は虫やゴキブリが好む環境になることもあるため、防虫対策や定期的な清掃も重要です。安心して暮らすためには、建物全体の管理状況も確認しておくと良いでしょう。
和室賃貸をおしゃれに快適に使うための工夫
和室をもっと快適に、おしゃれに使いたい方には、ちょっとしたアレンジや工夫がおすすめです。日常の使い方やインテリアを工夫することで、和室のイメージが大きく変わります。
洋室風アレンジやインテリアのアイデア
和室を洋風にアレンジしたい場合、カーテンや照明、家具選びがポイントです。たとえば、シンプルな北欧風のローテーブルやファブリックを使うと、畳の雰囲気が和らぎます。
また、観葉植物やアートパネルを飾ることで、和モダンなインテリアも楽しめます。色使いや素材感を工夫するだけで、和室の持つ落ち着きを残しつつ、おしゃれな空間づくりが可能です。
シートやカーペットで畳を保護する方法
畳の傷みや汚れが心配な場合、畳用の保護シートやカーペットを敷くのが効果的です。市販の畳カバーやウッドカーペットは、簡単に敷くだけで畳を守り、部屋の雰囲気も変えられます。
また、家具の下にはフェルトやゴム製の脚カバーを取り付けると、へこみや傷を防ぎやすくなります。お子さんやペットがいる家庭にもおすすめの方法です。
簡単にできる湿気対策と掃除のコツ
湿気が気になる場合は、除湿剤やすのこを活用し、通気性を確保しましょう。窓や押入れを定期的に開けて換気することも効果的です。
畳掃除には、毛足の短いほうきや掃除機を使い、畳の目に沿ってやさしく行うのがポイントです。大きな汚れがある場合は、固く絞った雑巾で軽く拭き取ると畳が長持ちします。
壁紙や照明を変えて雰囲気アップ
和室の壁紙や照明を工夫するだけで、部屋の印象が大きく変わります。明るい色の壁紙や、間接照明を導入することで、現代的な雰囲気にもなります。
また、和紙調のランプやペンダントライトを使うと、和のテイストを残しつつ、温かみのある空間づくりが可能です。賃貸でも貼ってはがせる壁紙なら、気軽に模様替えが楽しめます。
賃貸和室のリフォームや洋室化を考えるときのポイント
和室をもっと使いやすくしたい、洋室に変更したいと考える方も増えています。リフォームやアレンジを考える際のポイントについてまとめます。
リフォームにかかる費用と手順
和室を洋室へリフォームする場合、費用は内容によって大きく異なります。一般的には、畳をフローリングに変更するだけで10万円前後から、壁紙や建具の交換を含めるとさらに費用がかかります。
リフォームの手順としては、まず管理会社や大家さんに相談し、許可を得ることが第一歩です。その後、工事内容と見積もりを確認し、専門業者に依頼する流れが一般的です。
リフォーム内容 | おおよその費用 | 工事期間目安 |
---|---|---|
畳をフローリング化 | 10〜20万円 | 1〜3日 |
壁紙張り替え | 3〜8万円 | 1日 |
DIYでできる和室の洋室アレンジ方法
大きな工事をしなくても、DIYで和室を洋室風にアレンジすることも可能です。たとえば、ウッドカーペットやフローリング調のマットを敷くと、畳を傷めずに洋室の雰囲気を出せます。
また、貼ってはがせる壁紙や、突っ張り式のカーテンレールを使うことで、賃貸でも原状回復がしやすいアレンジができます。小物や照明を工夫するだけでも、手軽にイメージチェンジができるので、DIY初心者にもおすすめです。
リフォーム後のメリットとデメリット
和室を洋室にリフォームすると、モダンなインテリアが楽しめたり、家具の配置がしやすくなるメリットがあります。また、掃除やメンテナンスも簡単になることが多いです。
一方で、リフォーム費用は自己負担の場合が多く、退去時には原状回復が必要な場合もあります。和室の持つ断熱性や調湿効果が減る点もデメリットとして挙げられます。ライフスタイルや費用対効果を考えて判断しましょう。
管理会社や大家さんへの相談方法
リフォームや大きなアレンジを検討する際は、必ず事前に管理会社や大家さんへの相談が必要です。電話やメールだけでなく、内容を書面でやりとりしておくと安心です。
許可内容や原状回復の範囲を明確にし、後々のトラブルを防ぐためにも記録を残しておきましょう。小さなアレンジでも「原状回復義務」があるため、必ず確認を怠らないようにしましょう。
まとめ:賃貸和室の選び方と後悔しないためのポイント
賃貸の和室は、デメリットもある一方で、家賃の安さや収納力、快適な居心地といった魅力も兼ね備えています。自分のライフスタイルや好みに合った部屋選びをすることが大切です。
選ぶ際は、畳や設備の状態、湿気やカビ対策、退去時費用を必ず確認しましょう。家具の配置や掃除の工夫、必要であればアレンジも取り入れることで、快適でおしゃれな空間に仕上げられます。
和室ならではの良さを活かしつつ、デメリットをしっかりカバーできれば、後悔の少ない賃貸生活が送れるでしょう。無理に和室を避けるのではなく、自分に合った使い方や工夫を見つけて、理想の住まいづくりに役立ててください。
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