賃貸物件に住んでいると、お風呂の使い勝手や古さが気になったり、もっと快適なバスタイムを望んだりすることがあるのではないでしょうか。しかし、賃貸という立場では自由にリフォームできるとは限らず、費用や手続きについて悩まれる方も少なくありません。オーナーや管理会社とのやり取り、費用負担の考え方、工事の進め方など、初めての場合は戸惑うことが多いものです。この記事では、賃貸でお風呂リフォームを検討する際に知っておきたいポイントや注意点、費用相場、トラブル防止策などを分かりやすくご紹介します。「まず何から始めたらいい?」という方にも役立てていただければ幸いです。
賃貸でお風呂リフォームを希望されたとき最初に確認すべきこと

賃貸物件でお風呂のリフォームを希望された場合、まずは冷静に現状の確認や必要な情報収集を行うことが大切です。入居者とオーナー双方の立場や契約内容をしっかり把握しましょう。
入居者がリフォームを希望する主な理由を把握する
お風呂リフォームを希望する入居者の理由はさまざまですが、大きく分けると「設備の老朽化」「使い勝手の悪さ」「衛生面の不安」「デザインの古さ」などが挙げられます。たとえば、浴槽にひび割れがあったり、水漏れやカビが目立つケースでは、入居者から修理や交換の要望が出ることが多いです。
一方で「もっと掃除しやすくしてほしい」「追い焚き機能を付けたい」など、より快適さを求める声も見受けられます。まずは入居者のリフォーム希望の背景を丁寧に聞き取り、急ぎの補修が必要なのか、暮らしの質向上を目指すものなのかを明確にすることで、後々の対応方針が決めやすくなります。
設備の老朽化や不具合がないか現状をチェックする
リフォームの相談があった場合、最初にすべきことは現状確認です。浴槽や壁、床、排水口、給湯器など主要な設備を目視点検し、ひび割れ・水漏れ・サビ・カビなどの劣化状況をチェックしましょう。特に賃貸物件の場合、経年劣化による修理はオーナー負担となることも多いため、客観的な状態把握が重要です。
また、どの程度の範囲で工事が必要かもあわせて確認します。例えば、浴槽単体の不具合なのか、洗い場や壁面にも傷みが広がっているのかで、リフォーム規模が大きく変わります。現地調査の結果を記録し、入居者とオーナー双方で状況を共有すると、後々のトラブル防止に繋がります。
お風呂リフォームの費用負担と契約内容を確認する
賃貸物件のお風呂リフォームでは、費用を誰がどこまで負担するかが大きなポイントです。通常、経年劣化による修理や法定点検はオーナー負担ですが、入居者の故意・過失による損傷やグレードアップ希望の場合は、入居者側が費用を負担するケースもあります。
契約書や管理規約には、修繕や改装に関する取り決めが書かれている場合がありますので、必ず確認しましょう。あいまいな場合は、管理会社やオーナーと具体的に協議し、どちらがどの費用を負担するかを明確にしたうえで、書面で取り決めておくと安心です。
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賃貸物件のお風呂リフォーム費用と工期相場

お風呂のリフォームは範囲や内容によって費用や工期が大きく異なります。ここでは賃貸物件でよく行われるケースごとの相場や補助金活用について解説します。
全体リフォームの場合の費用と工期目安
お風呂全体をリフォームする場合、ユニットバスの交換や浴室の全面改装が一般的です。この場合、費用は50万円~100万円程度が相場とされています。ただし、使用する設備のグレードや、建物の構造によって前後します。たとえば、広めの浴室や高機能な設備を選ぶ場合、100万円を超えることも少なくありません。
工期については、解体や配管工事を含めると3日~1週間程度が多いです。入居中の場合は日程調整が必要となるため、事前に生活への影響を相談しながら進めましょう。賃貸では退去後のリフォームが行いやすいですが、入居中のケースは仮設のシャワー利用なども検討すると安心です。
部分的なリフォームや設備交換の費用相場
浴槽のみ、または給湯器や水栓など部分的な交換で済む場合、費用はかなり抑えられます。以下に代表的な設備交換の目安をまとめます。
項目 | 費用目安 | 工期 |
---|---|---|
浴槽のみ交換 | 10万~30万円 | 1日~2日 |
給湯器交換 | 8万~20万円 | 半日~1日 |
シャワー水栓交換 | 1万~5万円 | 数時間~半日 |
部分リフォームの場合、工事が短期間で済むので入居中でも負担が軽減されます。また、全体工事よりも費用負担の交渉がしやすく、補修やグレードアップの希望に柔軟に対応できる点もメリットです。
補助金や助成金の活用でコストを抑える方法
お風呂リフォームでは、自治体や国の補助金・助成金を利用できる場合があります。たとえば、省エネ対応給湯器やバリアフリー改修など、条件を満たしていれば数万円から数十万円の支援を受けられることもあります。
利用を検討する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 補助金の申請条件(工事内容や工事業者の要件)
- 申請手続きのタイミング(着工前申請が多い)
- 申請に必要な書類や証明書
補助金活用には期間や予算枠があるため、事前に自治体やリフォーム業者へ相談し、最新情報を得てから進めることをおすすめします。
お風呂リフォームの費用を安く済ませるためのコツ

予算が限られている場合でも、工夫次第でリフォーム費用を抑えることは可能です。ここでは代表的な節約ポイントを解説します。
複数のリフォーム業者から見積もりをとる
同じ工事内容でも、リフォーム業者によって提示される金額は異なります。費用を安く抑えたい場合は、最低でも2~3社から見積もりを取り、内容と価格を比較検討することが大切です。
見積もり比較では、総費用だけでなく、以下の点もチェックしましょう。
- 工事の範囲や工程が明確に記載されているか
- 材料や設備のグレードの違い
- アフターサービスや保証期間の有無
価格だけで決めず、内容や対応の丁寧さも判断材料にすることで、納得のいく業者選びができるようになります。
必要最低限の工事内容に絞るポイント
リフォームの要望が多岐にわたる場合でも、全てを一度に行う必要はありません。予算重視の場合は、まず緊急性の高い箇所や生活に直結する設備に優先順位をつけて、工事内容を絞る方法がおすすめです。
たとえば、経年劣化が激しい浴槽や水漏れが発生している部分のみ交換し、壁や床のリニューアルは今後の課題とするなど、段階的なリフォームも有効です。必要な範囲のみに絞ることで、無駄な出費を抑えられますし、将来的な追加リフォームにも柔軟に対応しやすくなります。
工事のタイミングや閑散期を上手に活用する
リフォーム業者には繁忙期と閑散期があり、工事を依頼する時期によって見積もり額が変わることがあります。一般的に春や秋の引越しシーズンが繁忙期、梅雨や真冬などは閑散期になる傾向です。
閑散期には工事日程の調整がしやすく、値引き交渉もしやすくなります。また、退去後の空室期間など、入居者の生活に影響が少ないタイミングも狙い目です。日程に余裕がある場合は、複数の時期で見積もりを取り、もっともコストバランスの良いタイミングを選びましょう。
賃貸でお風呂リフォームをする際の注意点とトラブル防止策

賃貸物件ならではのルールや手順を守り、後々のトラブルを防ぐことがリフォーム成功のカギです。実際に工事を進める前に確認しておきたいポイントを解説します。
管理規約やオーナーの承諾を事前に確認する
賃貸物件におけるリフォームは、管理規約やオーナーの承諾が必要です。特に建物の構造に関わる工事や、設備の大幅な変更を伴う場合は、無断で進めると契約違反となる可能性があります。
まずは賃貸借契約書や管理規約を確認し、リフォームに関する制限や手続きについて把握しましょう。不明点があれば、管理会社やオーナーに直接相談し、必要な手続きや提出書類について案内を受けるようにします。口頭でのやり取りだけでなく、書面やメールなど記録が残る形で承諾をもらっておくと安心です。
信頼できるリフォーム業者を選ぶ基準
リフォーム工事の品質やトラブル回避のためには、信頼できる業者選びが欠かせません。業者を選ぶ際は、以下の基準を参考にすると良いでしょう。
- 賃貸物件のリフォーム実績が豊富か
- 見積もりや説明が明確で、質問に丁寧に答えてくれるか
- 保証やアフターサービスがあるか
また、口コミや評判、過去の事例写真を確認することも有効です。万が一のトラブル時に迅速に対応してもらえるかどうかも、選定のポイントとなります。安さだけでなく、信頼性や実績も重視して選びましょう。
費用分担や契約内容のトラブルを防ぐ方法
リフォームに伴う費用分担や契約内容については、あいまいなまま工事を始めると、後で「思っていた費用と違う」「どこまで原状回復が必要か分からない」といったトラブルになりがちです。
予防策としては、工事内容・費用・分担割合・スケジュールなど、細かい点まで事前に書面で取り決めておくことが重要です。契約書や合意書を作成し、双方でサインしておくことで、言った・言わないのトラブルを防げます。工事後の保証やメンテナンス対応についても、事前に確認しておきましょう。
まとめ:賃貸でお風呂リフォームを成功させるためのポイントと注意点
賃貸物件でのお風呂リフォームは、入居者・オーナー双方の合意形成や、契約内容の確認、費用や工事規模の見極めなど、慎重な対応が求められます。希望や状況に応じて費用相場を把握し、補助金の活用や業者選びの工夫でコストを抑えることも可能です。
トラブルを防ぐためには、管理規約や契約内容の確認、信頼できる業者選び、詳細な合意書の作成といった基本を押さえることが大切です。お互いに納得し合い、安心できるリフォームを目指して、計画的に進めましょう。
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