家の安全を守るためには、目立つ玄関だけでなく、勝手口の防犯も見逃せません。勝手口はどうしても出入りが少なく、人目につきにくい場所です。そのため、空き巣などの侵入リスクが高まります。
防犯シャッターは、そんな勝手口の弱点を補い、安心して生活できる環境をサポートします。また、防犯効果だけではなく、遮音や遮熱など日常生活の快適さにも貢献します。この記事では、勝手口防犯シャッターの必要性や選び方、費用、設置時の注意点まで幅広く解説します。
勝手口に防犯シャッターを取り付けるべき理由と効果

勝手口は住まいのなかでも特に防犯対策が重要視される場所です。ここでは、なぜ勝手口に防犯シャッターを設置すべきなのか、その理由や効果について詳しく説明します。
勝手口が空き巣に狙われやすい理由
勝手口は住宅の裏側や側面に設けられることが多く、道路から直接見えにくい立地が一般的です。そのため、不審者にとっては周囲の目を気にせず作業できる場所となってしまいます。
また、勝手口は普段あまり使わない家庭も多く、鍵の閉め忘れや簡易な錠前だけで済ませているケースも少なくありません。このような油断が空き巣の標的になりやすい要因です。以下のような特徴が空き巣にとって都合のよい条件をつくっています。
・人通りや目撃者が少ない
・窓やドアが小規模で簡単にこじ開けやすい
・防犯対策が玄関ほど強化されていない
防犯シャッターがもたらす防犯効果の仕組み
防犯シャッターを取り付けることで、勝手口からの侵入を物理的に阻止できます。シャッターは堅牢な素材で作られているため、簡単に壊したりこじ開けたりすることが困難です。
また、シャッターは閉めたまま鍵を二重にかけることができ、侵入までに時間がかかるため不審者が諦めやすくなります。仮にシャッターを破ろうとすれば大きな音が出るため、周囲に気づかれるリスクを嫌う空き巣にとって大きな抑止力となります。
このほかにも、外から内部が見えなくなるため、家の中の様子をうかがわれる心配も減ります。侵入経路をひとつ減らすだけで、住まい全体の防犯力が高まります。
プライバシーや遮音性など防犯以外のメリット
防犯シャッターには、防犯以外にも暮らしを快適にするメリットがあります。たとえば、シャッターを閉めることで外からの視線を遮ることができ、プライバシーがしっかり守られます。
さらに、遮音性や遮熱性に優れたシャッターを選べば、外部からの騒音や夏場の熱気・冬場の冷気の侵入も抑えることができます。次のような生活面でのメリットも期待できます。
・外からの視線や音が気にならなくなる
・冷暖房効率のアップ
・風雨や台風時のガラス割れ防止
防犯シャッター設置による心理的抑止効果
防犯シャッターは見た目にも強固な印象を与えるため、空き巣や不審者が侵入をためらう心理的効果が得られます。防犯対策がしっかりされている家は、犯行のリスクが高いと感じられ、標的から外れやすくなります。
実際に、シャッターやセンサーなどの防犯設備が導入されている家は、侵入未遂で終わるケースが多いといわれます。家族が安心して暮らせる環境を整えるためにも、目に見える防犯対策は非常に効果的です。
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勝手口防犯シャッターの選び方と種類

防犯シャッターにもさまざまな種類や特徴があります。ここでは、用途や設置場所に合ったシャッターの選び方やポイントを整理し、失敗のない選定をサポートします。
手動と電動シャッターの特徴と違い
シャッターには手動タイプと電動タイプの2種類があり、それぞれ利便性やコストに違いがあります。手動シャッターは価格が比較的抑えられ、停電時にも確実に開閉できるのが特徴です。力が要る場合もありますが、日常的に頻繁に開け閉めしない場所には十分です。
一方、電動シャッターはボタンやリモコンで簡単に操作でき、手がふさがっているときや高齢の方にも使いやすいのが魅力です。ただし、設置費用が高くなりやすく、停電時には手動での切替操作が必要な場合があります。ご家庭のライフスタイルや設置場所に合わせて、どちらを選ぶか検討するとよいでしょう。
遮音性や遮熱性に優れたシャッターのポイント
遮音性や遮熱性を重視する場合は、シャッターの素材や構造に注目しましょう。アルミやスチール素材の中でも、断熱材が充填されたタイプは外気の影響を受けにくく、室内環境を快適に保てます。
また、隙間ができにくい一体型シャッターや、厚みのあるパネル構造を選ぶと遮音効果も高まります。表に主なポイントをまとめます。
種類 | 遮音・遮熱性 | メリット |
---|---|---|
一般アルミ | △ | 軽量で手軽 |
断熱アルミ | ◎ | 断熱・遮音優秀 |
スチール製 | ○ | 強度が高い |
素材やデザインによる選び方
シャッターの素材は、アルミやスチールなどが主流です。アルミは軽くてサビにくく、住宅に合わせたカラーバリエーションも豊富です。スチールは強度が高い反面、重くなりやすいですが、防犯性を重視する方には適しています。
デザイン面でも、窓や外壁と調和する色や質感を選ぶことで、外観を損なわずに設置することができます。最近ではスリット入りなど、採光や通風を確保できるデザインも増えています。ご自宅の雰囲気や好みに合わせて選択しましょう。
設置場所やサイズ選定の注意点
設置場所のスペースや勝手口のサイズに合ったシャッターを選ぶことが大切です。特に、開閉時に障害物がないか、シャッターケースを設置できる十分なスペースがあるかを確認しましょう。
また、既存のドアや窓枠との干渉にも注意が必要です。サイズは現地でしっかり採寸し、規格品が合わない場合はオーダーメイドも検討します。設置環境や使い勝手を十分に考慮することが、トラブル防止に繋がります。
防犯シャッター設置の費用相場と補助金活用

防犯シャッターを導入する際は、費用や補助金制度を十分に調べておくことが大切です。ここでは、費用の目安や補助金活用のポイントについて解説します。
勝手口防犯シャッターの設置費用目安
勝手口用の防犯シャッターは、選ぶタイプやサイズ、施工の内容によって価格が大きく変わります。手動タイプなら材料費と工賃を合わせて10万円~20万円程度、電動タイプは20万円~35万円程度が目安です。
オプションや特殊なデザイン、サイズオーダーになるとさらに費用が上がる場合があります。施工業者によっても費用に差が出るため、見積もりは複数社から取るのがおすすめです。
タイプ | 費用目安 | 特徴 |
---|---|---|
手動 | 10~20万円 | 低コスト |
電動 | 20~35万円 | 操作が簡単 |
補助金制度を活用した費用削減方法
自治体によっては、防犯対策や災害対策を目的としたリフォームに補助金が出ることがあります。勝手口シャッターも対象となる場合が多く、費用負担を抑えることが可能です。
補助金の内容や金額、申請条件は地域ごとに異なるため、事前に自治体のホームページや窓口で最新情報を確認しましょう。施工前の申請が必須となっていることも多いので、スケジュールに余裕を持った準備が肝心です。
費用対効果を高める計画的なリフォーム
防犯シャッターだけでなく、ドアや窓の交換、センサーライトの設置など、複数の防犯対策をまとめてリフォームすることで、全体の費用対効果を高めることができます。
また、長い目で見てメンテナンス性や電気代、将来的な補修費用も考慮に入れて選ぶと、結果的にコストパフォーマンスが高くなります。計画的なリフォームで、無駄なく安心を手に入れましょう。
補助金申請の手続きと必要書類
補助金を申請する際には、事前の見積書や契約書、工事前後の写真、領収書などが必要となります。申請の流れは以下の通りです。
- 自治体へ申請書と必要書類を提出
- 審査・交付決定
- 工事実施
- 完了報告書と写真提出
- 補助金の振り込み
各自治体で書類や手続きが異なるため、事前に公式案内などで詳細をチェックしておくと安心です。
防犯シャッター設置時の注意点とよくある疑問

防犯シャッターの設置には、いくつか注意点やよくある疑問があります。ここでは、施工ができないケースやメンテナンスに関する疑問などを取り上げます。
設置できないケースや施工上の制約
すべての勝手口に防犯シャッターが取り付けられるわけではありません。たとえば、外壁やサッシの強度が足りない場合や、シャッターを設置するスペースが確保できない場合は、施工が難しくなります。
また、建物の構造や既存設備との干渉、消防法など法令上の制約があるケースも考えられます。不明点は事前に専門業者へ現地調査を依頼し、適切なアドバイスを受けると安心です。
開閉操作の手間や騒音への配慮
手動シャッターの場合、開閉作業に多少の力や手間がかかることがあります。特に高齢者や力の弱い方には負担となるため、電動タイプも含めて検討するとよいでしょう。
また、開閉時に金属音などの騒音が出る場合があります。近隣への配慮や、家族の生活リズムに合わせた静音設計のシャッターを選ぶと、ストレスを抑えられます。
賃貸住宅やマンションでの設置の可否
賃貸住宅や分譲マンションの場合、勝手口へのシャッター設置には管理者やオーナーの許可が必要です。特に外観の変更や共用部分に影響が及ぶ場合は、工事自体が認められないこともあります。
事前に管理規約や契約内容を確認し、必要な手続きを踏むことが重要です。書面での許可を得てから工事に取り掛かるよう心がけましょう。
取り付け後のメンテナンスと長持ちさせるコツ
防犯シャッターを長く快適に使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。シャッターのレールや可動部にゴミやホコリがたまると動きが悪くなるため、こまめな清掃が効果的です。
油さしや部品の点検、不具合があれば早めの修理を心がけましょう。メーカーや施工業者による定期点検サービスを利用するのもおすすめです。
防犯シャッターと組み合わせて効果的な勝手口防犯対策
防犯シャッターだけでなく、他の防犯対策と組み合わせることで、勝手口の安全性はさらに高まります。ここでは、シャッターと相性のよい防犯アイテムや方法を紹介します。
防犯性能の高いドアや鍵への交換
勝手口のドア自体を防犯性能の高いものに交換するのも有効です。ピッキングに強いディンプルキーや、二重ロック付きのドアなどが安心です。
特殊なガラスや、破壊に強いフレームを採用したドアにすることで、シャッターとの相乗効果が期待できます。鍵の交換だけなら手軽にできるため、リフォームと同時に検討するとよいでしょう。
補助錠やサムターンカバーの追加
ドア本体の鍵に加えて、補助錠やサムターンカバー(内側のつまみを覆うカバー)を設置すると、侵入までの時間が延びて防犯性がアップします。
補助錠は後付けできる簡易タイプもあり、費用を抑えて手軽に導入できます。サムターンカバーはドアの内側につけることで、ピッキングやサムターン回しなどの手口を防ぐ役割があります。
センサーライトや防犯カメラの設置
勝手口付近にセンサーライトや防犯カメラを設置すると、不審者の侵入を未然に防ぎやすくなります。人の動きに反応してライトが点灯したり、カメラで録画することで、心理的な抑止効果がさらに高まります。
最近では、スマートフォンと連動するタイプもあり、不在時にも安心して見守ることができます。機器の設置場所や死角の有無にも注意して選びましょう。
防犯フィルムやガードプレートの活用
窓やガラス部分には、防犯フィルムを貼ることで割れにくくなり、侵入までの時間を稼げます。また、ドアや錠の付け根部分にガードプレートを装着すれば、バールなどでのこじ開け対策にもなります。
これらのアイテムは比較的安価で取り付けが簡単なため、防犯シャッターと組み合わせて多重防御を実現できます。
DIYで勝手口防犯シャッターを取り付ける際のポイント
DIYでシャッターを取り付けたいという方も増えています。ここでは、取り付け時の注意点や段取り、安全対策について順を追って解説します。
必要な工具と事前準備
DIYでのシャッター取り付けには、電動ドリル、ドライバー、スパナ、水平器、メジャーなどの基本工具が必要です。また、作業スペースの確保や、設置する壁面の強度チェックも事前準備として欠かせません。
さらに、シャッター本体や部品の内容物確認、取扱説明書の熟読、必要に応じて補強材の準備もすすめておきましょう。安全のため、保護メガネや手袋も用意すると安心です。
初心者向け取り付け手順と安全対策
初心者の場合は、手順を守って一つずつ作業を進めることが大切です。大まかな流れは以下の通りです。
- 取り付け位置を確認し、壁に印をつける
- シャッターケースやガイドレールを仮止めする
- 水平や垂直を確認しながら本締めする
- 本体と部品を組み立て、動作確認を行う
作業中は落下やケガに注意し、無理に作業せず必要に応じて家族や友人に手伝ってもらうと安心です。
取り付け後の調整と点検方法
設置後はシャッターの開閉がスムーズかどうか、ガタつきや異音がないかをしっかり確認します。ガイドレールのズレや固定不良があると、故障や事故につながるため念入りに点検しましょう。
定期的にレールの清掃や、可動部への潤滑油の塗布も行うと、長期間快適に使い続けられます。気になる点があれば、メーカーや施工業者への相談も検討しましょう。
DIYでよくあるトラブルとその解決法
DIYでは、サイズ違いや部品不足、設置位置のズレなどのトラブルが起こりがちです。こうした場合は、一度作業を止めて取扱説明書を見直し、必要部品を正しく組み立てているか確認しましょう。
また、無理に取り付けを進めると部品の破損やケガの危険があるため、どうしても解決できない場合は専門業者に相談することをおすすめします。安全を最優先に作業を進めましょう。
まとめ:勝手口防犯シャッターで住まいの安全と快適を両立しよう
勝手口は家のなかでも防犯面で見落としやすい場所ですが、シャッターを設置することで大切な家族や財産をしっかり守ることができます。さらに、遮音や遮熱など、日常生活の快適さも向上します。
設置方法や費用、補助金の活用など工夫次第で、負担を抑えつつ高い効果が得られます。ご自宅の環境やライフスタイルに合わせて、最適な防犯シャッターを導入し、安心で快適な暮らしを実現しましょう。
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