住まいの快適さや機能性を高めるためには、建築やリフォームの材料選びがとても重要です。特に壁や床、家具など、様々な場面で活躍するベニヤ板は、厚みやサイズ、種類も多く、どれを選ぶか迷う方も多いでしょう。また、「合板」「コンパネ」といった似た言葉も出てきて、違いが分かりにくいという悩みもよく聞かれます。この記事では、ベニヤ板の厚みや規格サイズ、合板との違い、選び方や価格の目安、さらには活用例やメンテナンス方法まで、分かりやすく解説します。ご自身の住まいやリフォーム計画に合ったベニヤ板選びに役立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
ベニヤ板の厚みと規格サイズの基本知識

ベニヤ板は建築やリフォーム、DIYで幅広く利用されている材料です。厚みやサイズには様々な種類があり、用途や仕上がりに大きく影響します。どんな違いがあるのかを知ることが、最適な材料選びの第一歩です。
ベニヤ板の主な厚みと用途の違い
ベニヤ板には、用途に合わせてさまざまな厚みがあります。主な厚みは2.5mm、4mm、5.5mm、9mm、12mm、15mm、18mmなどが一般的です。たとえば、2.5mmや4mmの薄いベニヤ板は、曲げ加工がしやすく、家具の背板や引き出しの底板など、軽量化が求められる場面で使われます。
一方、9mm以上の厚手のベニヤ板は、床材の下地や壁の下地、棚板など、強度や耐久性が必要な場所に向いています。厚みが増すほど重さは増えますが、その分丈夫になるため、用途に応じて選ぶことが大切です。下のように、厚みごとの用途をまとめました。
厚み | 主な用途 |
---|---|
2.5~4mm | 家具の背板・曲面加工 |
5.5~9mm | 壁・天井の下地 |
12~18mm | 棚板・床の下地 |
一般的なベニヤ板の規格サイズ
ベニヤ板のサイズは、建築や作業のしやすさを考えて、一定の規格が決まっています。もっとも一般的なのは「910mm×1820mm」(約3尺×6尺)で、多くのホームセンターや建材店で取り扱われています。
この規格サイズは、住宅の柱や梁の間隔に合わせてカットしやすく、搬入もしやすいことが特徴です。また、小さめのサイズや半分にカットされた「910mm×910mm(3尺×3尺)」タイプも用意されていることが多く、DIYや補修作業に便利です。規格サイズを知っておくことで、無駄なく効率よく材料を使えるようになります。
ベニヤ板の厚みを選ぶ際のポイント
ベニヤ板の厚みを選ぶ際は、使う場所や目的に合わせて考えることが大切です。たとえば、家具や収納の内部、装飾パネルなら薄めのものでも十分ですが、荷重がかかる棚や床下地には、しっかり厚みのあるものを選びましょう。
また、厚みが増すと価格も上がるため、強度とコストのバランスを見極めることがポイントです。荷重や耐久性が気になる場合は、少し厚めのものを選んでおくと安心です。反対に、軽量化や加工のしやすさを重視する場合は、薄めのベニヤ板が役立ちます。用途ごとに最適な厚みを選ぶことで、仕上がりや使い勝手が大きく変わります。
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合板とベニヤ板の違いと特徴

ベニヤ板と合板は似ているようで、実は構造や特徴に違いがあります。それぞれの特徴を知ることで、目的に合った材料選びがしやすくなります。
合板の種類と特徴
合板とは、木材を薄くスライスした板(単板)を、繊維の向きを交互に重ねて接着し、一枚の板に加工したものです。合板には「普通合板」「構造用合板」「化粧合板」など種類があり、それぞれ使い道や耐久性に違いがあります。
たとえば、普通合板は内装下地や簡単な棚などに使われます。構造用合板は耐震性や強度が求められる壁・床下地に、化粧合板は表面に装飾が施されているため、見える部分の仕上げ材として使われます。合板は反りにくく、強度が確保しやすいのが特徴です。
ベニヤ板と合板の用途の違い
ベニヤ板と合板は、しばしば同じ意味で使われることもありますが、厳密には少し違いがあります。ベニヤ板は、単板を1枚または数枚貼り合わせただけのシンプルな構造で、主に軽量化やデザイン性を重視した箇所に使われます。
一方、合板は複数の単板を交互に重ねることで強度や安定性を高めており、床や壁など、建物の構造部分や荷重の大きな場所での使用に向いています。用途ごとの違いを簡単な表にまとめると、次のようになります。
種類 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|
ベニヤ板 | 家具・内装 | 軽量・加工しやすい |
合板 | 下地・構造部分 | 強度・安定性が高い |
コンパネとの違いと使い分け
「コンパネ」は「コンクリートパネル」の略で、特にコンクリートを流し込む型枠として使われる合板の一種です。表面が滑らかで、繰り返し使える耐久性が特徴です。
一般的なベニヤ板や普通合板と比べると、コンパネは水や衝撃に強く、建築現場の型枠や仮設用として重宝されています。ただし、仕上がりの美しさよりも耐久性やコストを重視しているため、内装や家具にはあまり使われません。使い分けのポイントは、仕上がり重視なら合板やベニヤ板、強度や耐水性重視ならコンパネを選ぶことです。
ベニヤ板の選び方と価格の目安

ベニヤ板は厚みやサイズ、種類によって価格や使い勝手が変わります。選び方や価格の基準を知っておくと、材料選びがスムーズになります。
厚みやサイズによる価格の違い
ベニヤ板の価格は、厚みやサイズによって大きく異なります。薄い2.5mm~4mmのベニヤ板は、1枚あたり数百円程度で購入できることが多いです。標準サイズ(910mm×1820mm)の5.5mmや9mmになると、千円前後から二千円程度が目安です。
さらに厚みが増して12mmや15mmになると、用途や木材の種類にもよりますが、2,000円以上になるケースもあります。サイズが小さくなると価格は下がりますが、まとめて購入すると割引がある場合もあります。価格と用途を一覧で整理すると分かりやすいです。
厚み | 価格の目安(標準サイズ) | 主な用途 |
---|---|---|
2.5~4mm | 300~800円 | 背板・補修 |
5.5~9mm | 800~1,800円 | 下地・棚板 |
12~18mm | 1,500~3,000円 | 床・構造部 |
用途別おすすめベニヤ板の選び方
用途に合わせてベニヤ板を選ぶと、仕上がりや耐久性が大きく変わります。たとえば、壁や天井の下地、軽い収納家具なら5.5mm~9mmの厚みが使いやすいでしょう。床下地や棚として重いものをのせる場合は、12mm以上の厚みを選ぶと安心です。
また、見える部分に使いたい場合は、表面に美しい木目のある「シナ合板」や「ラワン合板」などを選ぶと仕上がりがきれいです。湿気が多い場所や屋外で使う場合は、防水加工されたベニヤ板を選ぶこともポイントです。材料店やホームセンターで現物を確認するのもおすすめです。
ベニヤ板購入時の注意点
ベニヤ板を購入する際は、反りや割れ、表面の傷に注意しましょう。特に、薄いベニヤ板は輸送時や保管時に変形しやすいため、まっすぐなものを選ぶことが大切です。
また、必要なサイズより多少大きめを購入して、現場でカット調整することで、誤差や失敗を防ぐことができます。まとめ買いをする場合は、ロットによる色や質感の違いがないかもチェックしましょう。購入後は、直射日光や湿気を避けて、水平に保管しておくと品質を保てます。
ベニヤ板の種類と活用例

ベニヤ板にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や使い道が異なります。特徴を知り、目的に合ったベニヤ板を選ぶことで、作業も効率よく進みます。
ラワン合板やシナ合板などの特徴
代表的なベニヤ板には、ラワン合板やシナ合板があります。ラワン合板は、赤みがかった木目が特徴で、価格も比較的手ごろです。強度や耐久性にも優れているため、壁や床の下地、簡単な家具作りに幅広く使われます。
一方、シナ合板は白く滑らかな表面で、塗装や加工がしやすいのが特徴です。家具や棚、内装仕上げなど、見える場所に使いたいときにおすすめです。そのほかにも、防水性を高めた「耐水ベニヤ」や、軽量な「ファルカタ合板」など、用途に応じていろいろな種類があります。
DIYや建築リフォームでの活用例
ベニヤ板はDIYや建築リフォームの現場で、多様な用途に使われています。たとえば、壁や床の下地材、押入れやクローゼットの背板、手作りの棚やデスクの天板にも適しています。
また、薄いベニヤ板を使って丸みを帯びた家具や曲面の装飾、パーテーションの自作など、工夫次第で使い方が広がります。軽量で加工しやすいので、女性や初心者にも扱いやすい材料です。市販の塗料やシートを貼ることで、好みのデザインに仕上げることもできます。
ベニヤ板の加工やメンテナンス方法
ベニヤ板はのこぎりやカッターで手軽にカットできますが、きれいに仕上げたい場合は、端部に紙やすりをかけると滑らかになります。釘やビスを使うときは、割れ防止のために下穴を開けると安全です。
塗装する場合は、まず表面の汚れや油分を拭き取り、下地処理をしてから塗装すると、発色や耐久性が向上します。また、湿気や水濡れが気になる場所で使うときは、防水塗料やワックスを塗っておくと長持ちします。日ごろは清潔な布で乾拭きし、直射日光や極端な湿度を避けることで、美しい状態を保てます。
まとめ:ベニヤ板の厚み規格と選び方を知り建築やリフォームに活かそう
ベニヤ板は厚みやサイズ、種類が豊富で、建築やリフォーム、DIYのさまざまなシーンで活用されています。選び方のポイントを押さえることで、仕上がりや使い勝手が大きく変わります。
用途や目的に合った厚みや種類を選び、正しい方法で購入・保管・メンテナンスすることで、ベニヤ板本来の性能を十分に活かせます。今回の内容を参考に、最適なベニヤ板選びを行い、理想の住まいやリフォームを実現してください。
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