賃貸物件を探すとき、1階の部屋は家賃が安めだったり、荷物の出し入れがしやすかったりと、魅力的に感じることも多いです。しかし、実際に住んでみると「想像と違った」と感じるポイントがいくつもあります。特に防犯面やプライバシー、湿気など、1階ならではの課題に不安を抱く方も少なくありません。
この記事では、賃貸1階で気をつけたいポイントや快適に暮らすための対策、1階ならではのメリット、選ぶ際のチェックリストまで、分かりやすくご紹介します。失敗しない賃貸選びの参考にしてください。
賃貸で1階を選ぶときに気をつけたいポイント

賃貸物件の1階は、さまざまな生活上のリスクや不便さを感じることがある階層です。まずはどのような点を注意すべきか、具体的なポイントについて確認していきましょう。
防犯面のリスクを理解する
1階の部屋は、道路に面していたり人通りが多かったりするため、外部から侵入されやすい傾向にあります。窓やバルコニーが地上に近い位置にあるため、不審者が目につきやすいことも防犯面で不安を感じる理由です。鍵の閉め忘れや無施錠の窓からの侵入被害も報告されています。
特に、夜間や不在時はリスクが高まります。防犯カメラやオートロックなどの設備がない場合、1階を選ぶ前に慎重に検討しましょう。賃貸1階を選ぶ際には、自分の生活スタイルや地域性を踏まえ、防犯対策に力を入れることが求められます。
プライバシーの確保が難しい理由
1階の部屋は、窓を開けたりカーテンを開けたりすると、外から室内が見えやすくなります。通行人や近隣住民の目線が気になるため、生活においてプライバシーが確保しにくい点がデメリットとなります。
特に道路や駐車場に面している場合は、洗濯物を干す場所も限られがちです。安心してプライベートな時間を過ごしたい方には、1階特有のプライバシーの難しさを理解しておくことが大切です。
湿気や結露が発生しやすい
1階の部屋は、地面と近いため湿気がたまりやすい環境です。床下からの湿気や、換気がしにくい構造の場合、窓や壁に結露が発生しやすくなります。これにより、カビやダニの発生リスクが高まることも問題です。
家具や衣類が湿気で傷むこともあるため、こまめな換気や除湿が欠かせません。特に梅雨や冬場は、1階の湿気対策が生活の質を大きく左右します。
虫や害虫が侵入しやすい
地面に近い1階は、どうしても虫や害虫が入り込みやすくなります。玄関や窓からアリ、ゴキブリ、蚊などが部屋に侵入するケースも多く、清掃や対策が必要になります。
特に古い建物や周囲に植栽が多い場合、害虫のリスクは高くなります。虫が苦手な方は、1階の部屋選びの際に十分な注意が必要です。
日当たりや眺望のデメリット
1階は、周囲の建物や塀、植木などの影響で日当たりが悪かったり、眺望が限られたりすることがあります。日中も部屋が暗いと感じることや、外の景色が楽しめない点はデメリットとなります。
部屋の明るさや開放感を重視する方には、1階の物件は不向きと感じる場合があります。見学時は実際の日当たりや明るさを確認することが大切です。
騒音トラブルが起こりやすい
1階は、道路に近いため車や人の通行音、近隣住民の話し声、集合住宅内の出入りといった生活音が直接伝わりやすいです。音に敏感な方は、こうした騒音トラブルに悩まされることもあります。
また、上階からの足音なども響きやすいため、騒音対策が必要となる場合があります。物件ごとの特徴をしっかり把握し、事前に確認しておくことが重要です。
新築か中古+リノベかで迷っていたらぜひ読んでみよう!
何から始めたらいいかが分かる一冊です。
賃貸1階でも快適に暮らすための対策

1階ならではの課題も、工夫や設備の導入によって快適に生活することができます。ここでは、具体的な対策方法を項目ごとにご紹介します。
セキュリティ設備の充実が重要
1階で安心して暮らすためには、セキュリティ設備の充実が欠かせません。オートロックや防犯カメラ、二重ロックのドア・窓など、防犯対策がしっかりしている物件を選ぶことが大切です。
また、室内の窓や玄関にも補助錠や防犯フィルムを取り付けると、より安心感が高まります。下記は主な防犯設備の例です。
設備 | 特徴 | ポイント |
---|---|---|
オートロック | 入口で自動施錠 | 来訪者の管理が簡単 |
防犯カメラ | 監視・記録が可能 | 不審者の抑止力が高い |
補助錠・防犯フィルム | 窓・ドアに追加 | 手軽に防犯効果を強化 |
こうした設備が整っているか、内見時や契約前にチェックしておきましょう。
プライバシー対策の工夫
1階のプライバシー対策には、カーテンやブラインドの選び方が重要です。遮像タイプのレースカーテンや、外から見えにくいブラインドを使うことで、室内が見えにくくなります。
また、窓の外に目隠しフェンスや植栽を設置するのも効果的です。洗濯物は部屋干しや専用の干し場を利用することで、視線を気にせず生活できます。自分の生活スタイルや部屋の向きに合わせて、適切な対策を取り入れましょう。
湿気やカビを防ぐ方法
1階の湿気対策としては、こまめな換気や除湿機の活用が大切です。特に、梅雨や冬場は窓を定期的に開けて空気を入れ替える習慣をつけましょう。また、家具と壁の間にすき間を作って、空気の通り道を確保することもポイントです。
さらに、湿気が気になりやすい場所には除湿剤や防カビグッズを置くと効果的です。下記のような工夫を組み合わせて取り入れてみてください。
- 除湿機またはサーキュレーターの設置
- 防湿シートを床下や押入れに敷く
- 定期的な清掃やカビ取り剤の使用
こうした対策により、湿気やカビのリスクを抑えることができます。
虫対策の具体策
虫の侵入を防ぐためには、窓やドアのすき間をしっかり塞ぐことが基本です。網戸の破れやドア下の隙間があれば、早めに修理や補修を行いましょう。また、室内の清掃を徹底し、食べ物のゴミや湿った場所をつくらないことも大切です。
虫よけスプレーや置き型の忌避剤を活用したり、玄関に防虫マットを敷くのも効果があります。害虫が多い季節には、定期的に防虫グッズを交換するなど、こまめな対策を心がけてください。
騒音への対応策
騒音が気になる場合は、カーテンやラグなどのファブリック類を増やすと、音の反響を和らげる効果があります。窓ガラスに防音シートを貼るのも一つの方法です。
また、イヤホンや耳栓を活用する、家具のレイアウトを工夫して騒音源から距離を取るなど、自分でできる対策も多くあります。生活音が気になるときは、管理会社や大家さんに相談してみるのもよいでしょう。
ハザードマップで災害リスクを確認
1階は、地震や大雨による浸水などの災害リスクを考慮する必要があります。市区町村が発行するハザードマップを確認し、災害リスクが低いエリアかどうかを事前にチェックしましょう。
また、万一に備えて避難経路を確認し、懐中電灯や非常用品の備蓄をしておくと安心です。自分と家族の安全を守るために、災害対策も忘れずに行いましょう。
賃貸1階のメリットと魅力

1階の部屋にはデメリットだけでなく、上階にはないメリットもたくさんあります。ここでは、1階ならではの魅力を具体的に見ていきましょう。
家賃が上階より安い傾向
一般的に、同じ間取りや広さでも、1階の部屋は上階より家賃が安い場合が多いです。これは、防犯や日当たりなどのデメリットを考慮した価格設定となっています。
コストを重視したい方や、家賃を抑えたい方には、1階は狙い目の層です。浮いた分の予算を家具や設備の充実に使うこともでき、家計の面で大きなメリットがあります。
階下への騒音を気にしなくてよい
1階なら、下の階に住人がいないため、生活音や足音で迷惑をかける心配がありません。小さなお子様がいる家庭や、室内で趣味や運動を楽しみたい方にも安心です。
上階のように「階下に配慮しながら暮らす」ストレスが軽減され、のびのびと生活できる点が1階の大きな魅力です。
大きな荷物の搬出入が楽
引っ越しや家具の入れ替えなど、大きな荷物を運ぶ際も、1階はとても便利です。階段やエレベーターの利用が不要で、玄関からすぐに荷物を出し入れできます。
特に、頻繁に荷物を運ぶ必要がある方や重い家具・家電を使う方には、1階の住まいは大きなメリットとなります。
災害時に避難しやすい
万が一の災害時、1階はすぐに屋外へ避難できるため、避難経路が明確です。火災や地震の場合も、ドアを開けてすぐ外に出られる安心感があります。
高齢者や小さなお子様がいるご家庭にとって、緊急時の安全確保がしやすい点は重要な魅力です。
専用庭やテラスが使える物件もある
1階物件のなかには、専用庭やテラスが付いているタイプも見られます。ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子どもやペットと遊んだりできるのは1階ならではの楽しみです。
洗濯物や布団を外で干せるスペースも確保しやすく、生活の幅が広がります。庭付き物件が気になる方は、不動産会社に希望を伝えてみましょう。
バリアフリーで生活しやすい
1階は段差が少なく、階段の上り下りが不要なため、バリアフリーの観点でも生活しやすいです。高齢者やベビーカー利用のご家庭、足腰に不安のある方にもおすすめしやすい住環境です。
エレベーターの待ち時間や利用中の混雑もなく、毎日の動線がスムーズになる点は1階の大きな利点といえます。
賃貸1階を選ぶ際のチェックリスト

1階の賃貸物件を検討する際には、事前に確認すべきポイントがいくつかあります。失敗を防ぎ、安心して暮らすために、次のチェックリストを活用してください。
周辺環境や治安を調べる
物件周辺の治安や雰囲気は、安心して暮らすために欠かせない要素です。駅やスーパーまでの道のりが明るいか、不審者が出やすいエリアでないか、昼夜の様子を実際に歩いて確認しましょう。
また、近所の交番や防犯パトロールの有無もポイントです。気になる場合は、インターネットや自治体のホームページで犯罪発生状況を調べてみてください。
飲食店やゴミ置き場からの距離
飲食店やゴミ置き場が近いと、においや害虫、騒音が気になることがあります。特にゴミの日の前後は、1階の窓やバルコニーから不快なにおいが入ることもあるため、距離や配置を確認しておきましょう。
下記のポイントもあわせてチェックしておくと安心です。
- 夜遅くまで営業する店舗の有無
- ゴミ集積所の清掃や管理状況
- 窓の向きとゴミ置き場・飲食店の位置関係
建物の構造や築年数を確認
建物がしっかりした構造かどうか、築年数が古すぎないかも重要です。新しい建物ほど断熱性や防犯性が高い傾向があり、湿気や騒音の対策も進んでいます。
耐震・耐火性能や、リフォーム履歴があるかどうかも、不動産会社に質問してみましょう。長く快適に暮らすためには、建物自体の状態をしっかり確認することが大切です。
内見時に見るべきポイント
内見の際は、室内だけでなく外から見たときの目線や、窓・ドア・網戸の状態もチェックしましょう。また、床下や壁、浴室まわりのカビや湿気の有無、コンセントの位置なども確認しておくと安心です。
騒音や日当たりも時間帯によって違うため、できれば朝・昼・夕方と複数回見学することをおすすめします。
不動産会社で質問すべき内容
契約前に下記のような点を不動産会社に質問しておくと安心です。
- 防犯カメラやオートロックの有無
- 過去の浸水歴や災害時の対応
- 虫や騒音に関するトラブルの状況
- リフォームや修繕履歴
気になることは遠慮せず確認し、自分に合った物件かどうかじっくり見極めましょう。
自分のライフスタイルと合っているか見極める
仕事や通勤・通学の時間帯、休日の過ごし方など、自分の生活スタイルと1階物件の特徴が合っているか考えることが大切です。防犯やプライバシーを重視する人、日中ほとんど家にいない人など、向き・不向きが分かれる場合があります。
家族構成や今後のライフプランも考慮し、無理なく安心して暮らせるかどうかを見極めましょう。
まとめ:賃貸1階やめとけの理由と快適な暮らしのコツを押さえよう
賃貸1階の部屋には、防犯やプライバシー、湿気・虫・騒音など、独特の注意点があります。しかし、家賃の安さや荷物の出し入れのしやすさ、バリアフリーなど、上階にはない魅力も豊富です。
快適に暮らすためには、自分のライフスタイルや希望に合った物件を選び、必要な対策をしっかり講じることが大切です。チェックリストを活用し、事前にリスクやメリットを把握しておくことで、納得のいく住まい選びができるはずです。
投資家100人の話で学べる!
不動産投資の初心者にもおすすめの一冊。
