マンションの収納を撤去して部屋を広げることは、多くの場合で検討できます。ただし、クローゼットや押入れの扉・棚だけを外す工事と、周囲の壁まで取り除いて居室に取り込む工事では、広がり方も費用も大きく異なります。
「壁を壊しても大丈夫?」「管理組合の許可は必要?」「撤去後の床や壁はどうなる?」と迷っている方も多いでしょう。この記事では、マンションならではの制約、工事方法別の費用目安、内装をきれいにつなげる注意点、収納不足で後悔しないための考え方を具体的に説明します。
マンションの収納を撤去して部屋を広げることはできる?

結論からいうと、収納を囲む壁が撤去可能な間仕切り壁で、管理規約などの条件を満たす場合は、収納部分を居室へ取り込めます。ただし、すべての収納を丸ごと撤去できるわけではありません。壁の役割や設備の位置によって工事範囲が変わります。
クローゼットや押入れの造作部分は撤去を検討できる
室内に後から設けられた木製の棚、ハンガーパイプ、収納扉、扉の枠などは、比較的取り外しやすい部分です。壁の内側に収まった一般的な造作クローゼットであれば、棚や扉を撤去し、壁と床を仕上げ直す方法が考えられます。
収納の周囲が石こうボードと下地材で作られた間仕切り壁なら、壁を撤去して床面を広げられる可能性もあります。ただし、石こうボードに見えるから必ず撤去できるわけではなく、内部に配線や設備が隠れている場合があります。
具体的には、幅1.8m、奥行き0.8mの収納を完全に室内へ取り込めれば、単純計算では約1.44㎡の床面が使えることになります。実際に増える面積は壁厚や梁の形状などで変わるため、寸法は施工前に確認しましょう。
コンクリートの構造壁や共用部分は原則として壊せない
マンションでは、柱、梁、床スラブ、構造上重要なコンクリート壁などを自由に撤去することはできません。とくに壁で建物を支える壁式構造では、室内に見える壁が建物の強度に関わっている場合があります。
収納の背面が隣戸との境界壁だったり、外壁側のコンクリート壁だったりする場合も注意が必要です。これらは共用部分に当たることがあり、収納の内側だからといって削ったり穴を開けたりできるとは限りません。
見た目だけで判断せず、設計図面と現地調査で確認することが大切です。撤去できない壁を残し、手前の扉と棚だけ取り除く方法でも、家具の配置や見通しを改善できるケースがあります。
「広く見える」と「実際に床が広がる」は違う
扉を外すだけなら、収納内部が見えるため開放感は生まれます。しかし、間仕切り壁や床の段差が残る場合、部屋の床として自由に使える面積が増えるとは限りません。
一方、収納前面の壁を撤去し、収納内部の床を居室と同じ高さ・同じ仕上げに整えると、机やベッドを置ける範囲が広がります。見た目だけでなく、家具を移動できるか、歩く動線が確保できるかまで考えると、工事の目的が明確になります。
収納をなくして部屋を広げる主な工事方法

同じ「収納撤去」でも、工事範囲は大きく分けて三つあります。どの方法がよいかは、必要な床面積、収納の形、予算、工事後に置きたい家具で決まります。
扉や棚だけを撤去してオープンスペースにする
もっとも工事を小さくしやすいのは、クローゼット扉、レール、棚板、ハンガーパイプなどを取り外す方法です。収納の側面や上部の壁を残すため、解体する量が少なく、内装の補修範囲も比較的限定できます。
たとえば、扉を外した奥行きの浅い収納を飾り棚やデスクスペースとして使う方法があります。ただし、扉枠の出っ張りや収納内部の床の高さによっては、通常の家具をそのまま設置できません。
視覚的な圧迫感を減らしたい場合には有効ですが、居室と一体の床にしたいなら、段差解消や枠の撤去まで含めて検討しましょう。
収納の前面や側面の間仕切り壁まで撤去する
クローゼットが部屋の隅に張り出しているなら、前面の扉だけでなく側面の壁も撤去することで、四角い部屋に近づけられる場合があります。デッドスペースが減り、大きな家具の配置を考えやすくなる点が魅力です。
ただし、壁を壊すと天井や床には壁が立っていた跡が残ります。壁紙の色やフローリングの柄が既存部分とそろわないこともあるため、解体と同時に仕上げ工事の範囲を決める必要があります。
収納の壁にコンセントやスイッチが付いている場合は、電気工事も伴います。撤去できる壁であっても、内装と設備の調整まで含めると工事費は高くなる傾向です。
押入れを解体して和室や洋室の一部に取り込む
押入れは奥行きが深く、中段や天袋があることが多いため、単純に棚を外すだけでは部屋と一体化しにくい場合があります。床の高さや材質が居室と異なることもあり、使える床をつくる工事が重要です。
和室の場合、押入れ撤去と合わせて畳をフローリングへ変更したり、隣のリビングと床の高さをそろえたりする計画も考えられます。しかし、和室全体の洋室化を加えると費用と工期は大きくなります。
押入れの奥行きを全部使わず、上部の一部を収納として残す方法もあります。暮らしに必要な収納量を確保しながら、足元を広く使いたい方には比較対象になります。
壁を残して収納の奥行きだけを浅くする選択肢もある
収納をすべてなくす以外にも、奥行きを浅くして居室側にスペースを戻す方法があります。たとえば、布団用の深い収納を衣類や書類向けの浅い棚へ作り替えると、収納機能をある程度保てます。
ただし、収納の奥の壁がコンクリートの場合、壁そのものを奥へ動かすことはできません。また、棚を浅くするだけでは床面積が増えない間取りもあります。どの面をどちらへ動かすのか、平面図で確認することが重要です。
「部屋を広げたいけれど収納ゼロにはしたくない」という方は、完全撤去と部分改修を同じ条件で見積もると判断しやすくなります。
マンションの収納撤去にかかる費用相場と工期

費用は収納の大きさだけでは決まりません。解体する範囲、廃材の処分量、床・壁・天井の復旧、管理組合が求める養生などで変わります。以下は小規模な住戸内工事を想定した概算で、実際の見積額を保証するものではありません。
| 工事内容 | 費用の目安 | 工期の目安 |
|---|---|---|
| 棚・パイプ・扉などを外す | 約2万〜10万円 | 半日〜2日程度 |
| 収納内部を撤去して部分的に補修する | 約8万〜25万円 | 1〜4日程度 |
| 撤去可能な間仕切り壁を壊して床や壁を仕上げる | 約15万〜60万円 | 3〜7日程度 |
| 和室の洋室化や部屋全体の床・壁の改修も行う | 約40万〜100万円以上 | 1週間以上になる場合も |
金額は複数の公開事例や工事範囲別の価格情報を参考に整理した幅のある目安です。床の全面張り替え、電気設備の移設、石綿対応、搬出条件などが加われば、上記を超えることもあります。
解体費よりも床・壁・天井の仕上げ費が大きくなることがある
収納を撤去すると、扉の枠が付いていた部分の壁紙や、仕切り壁の下の床が露出します。収納内部には居室と同じフローリングが貼られていないこともあり、見た目をそろえるための補修が必要です。
たとえば、小さな収納の解体自体は短時間で終わっても、部屋全体のクロスを張り替えたり、床材を広い範囲で施工したりすると、費用の中心が内装工事へ移ります。工事内容を「撤去」と「復旧」に分けて把握すると、見積もりの差がわかりやすくなります。
既存の床材が廃番の場合、同じ色柄を探しても完全には一致しません。部分補修で段差や色の差を受け入れるか、全面的に仕上げ直すかで予算が変わります。
マンション特有の養生費や搬出費も確認する
マンションでは、エレベーター、共用廊下、エントランスなどを傷つけないために養生が求められることがあります。廃材の持ち出し経路が長い、車両を建物の近くに止められないといった条件でも作業費が変わります。
また、騒音が出る工事は作業可能な曜日や時間帯を制限されることがあります。実際の作業日数は短くても、管理組合への申請や承認を待つ期間を加えると、計画開始から完成までの期間は長くなります。
見積書に「養生一式」「諸経費一式」とある場合は、対象範囲と作業内容を確かめましょう。後から共用部養生や廃材運搬が追加されると、予算が膨らみやすくなります。
安く済ませたいときは解体範囲を小さくする
費用を抑える第一候補は、使い方に必要な部分だけ撤去する方法です。室内をすっきり見せたいだけなら、扉と中棚を外す工事で十分な場合があります。逆に、家具を置ける床面が必要なら、仕上げ工事を省きすぎないほうが実用的です。
複数箇所を同時にリフォームする予定なら、床材や壁紙の施工をまとめることで、段取りや材料のロスを抑えられる可能性があります。ただし、不要な範囲まで全面改修すると総額は上がるため、部分工事との差額で判断しましょう。
マンションで収納を撤去する前に確認したい管理規約と構造

マンションの室内にある収納でも、所有者が自由に工事してよいとは限りません。管理規約に従った手続きと、壁・設備の確認を先に行うことが安全で、工事後のトラブル防止にもつながります。
管理組合への申請や承認が必要かを先に確認する
マンションにはそれぞれ管理規約やリフォーム細則があり、工事の内容によって届出・申請・承認の扱いが異なります。国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトも、室内の模様替えについて管理組合や管理会社への相談を案内しています。
間仕切り壁の撤去は、騒音や振動、建物の安全性に関わる可能性があります。そのため、棚を一枚外す場合と同じ手続きで済むとは考えず、施工前に管理会社へ工事内容を具体的に伝えましょう。
必要書類として、工事内容がわかる図面、工程表、施工業者の情報、使用する床材の仕様などを求められる場合があります。申請締切や近隣住戸への通知方法も物件ごとに違うため、工事日の前に余裕を持って確認してください。
間取り図や竣工図で「壊せる壁」を調べる
販売時の間取り図だけでは、壁が構造体なのか軽い間仕切りなのか判別できない場合があります。建物の竣工図やリフォーム履歴があれば、工事会社に確認してもらう材料になります。
現地では、壁の厚さや下地の種類だけでなく、コンクリートの梁が下がっている部分、配管スペース、電線の通り道なども調べます。図面が古い場合は、過去のリフォームで施工内容が変わっていることにも注意が必要です。
とくに隣戸との境界壁や住戸の外周側に接する収納は、触れる範囲が狭くなることがあります。壊せない壁を前提に家具配置を考え直すことも、無理な工事を避けるための現実的な方法です。
床の遮音性能や防火・設備の条件も見落とさない
収納内部を新しく居室の床にする場合、フローリングの遮音性能が問題になることがあります。マンションによっては床材の仕様や施工方法に条件を設けており、好きな床材を自由に選べるとは限りません。
床材メーカーも、マンションでフローリングを張り替える際は遮音性能と管理規約の確認を勧めています。参考として床材メーカーによるマンションリフォームの解説も確認できます。
さらに、収納の中や周囲に点検口、換気設備、配線、火災感知器などがあると、移設や点検スペースの確保が必要なことがあります。設備を隠して使えなくすると、後の修理や点検に支障が出るため、工事前に位置を確認しましょう。
古いマンションでは石綿の事前調査が必要になる
収納の解体では、壁材や天井材などに使われた建材を傷つけたり取り除いたりすることがあります。古い建物では石綿(アスベスト)が含まれる可能性もあり、工事規模が小さいから調査を省いてよいとは限りません。
厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトでは、解体・改修工事について規模にかかわらず事前調査が必要とされ、建築物では原則として所定の資格を持つ人による調査が求められています。一定規模以上では調査結果の報告義務もあります。
施主が自分で含有の有無を判断したり、むやみに壁材を壊したりしないことが大切です。見積もりを依頼するときに、石綿調査の実施方法、費用、含有が判明した場合の対応を確認してください。
収納撤去後の床・壁・天井をきれいにつなげるポイント

収納撤去で後悔が生じやすいのは、解体後の仕上がりです。空間が広がっても床に段差が残ったり、壁紙のつぎはぎが目立ったりすると、使い勝手や見た目に影響します。
床の段差と下地の高さをそろえる
収納内部の床は、見えている居室の床と下地が違うことがあります。押入れでは床が一段高くなっていたり、クローゼット内だけ別の仕上げ材だったりするため、撤去前に高さを測る必要があります。
居室と同じ高さにするには、床の下地を作り直したり、既存の床との接点に見切り材を設けたりします。段差があるままだと椅子やキャスター付き家具を動かしにくくなるため、床面の活用を優先するなら重要な工事です。
ただし、下地を変えることで床の遮音性能や配管スペースに影響する場合もあります。表面のフローリングを同じものにするだけでは解決しないことを踏まえ、工法を確認しましょう。
壁紙は部分補修で済むか全体を張り替えるか決める
収納の壁を撤去すると、接していた壁や天井に下地の跡が残る場合があります。既存の壁紙が古いほど、新しく貼った部分との色の差が目立ちやすくなります。
費用を抑えたいなら、収納を撤去した周辺だけ張り替える方法があります。一方、部屋全体の統一感を優先するなら、壁一面、場合によっては部屋全体の貼り替えを考えると仕上がりをそろえやすくなります。
部分補修を選ぶ際は、切り替え位置を部屋の角や自然な境界に設定できるか確認してください。目立つ壁の中央で材料が変わると、想像以上に補修跡が気になることがあります。
コンセントや照明の位置も使い方に合わせて見直す
収納をなくしてデスクを置くなら、コンセントの位置が遠いと延長コードが必要になります。ベッドを置く場合も、枕元に電源があるか、照明のスイッチが使いやすいかで快適さが変わります。
収納の撤去と同時に配線位置を調整できれば、完成後に別工事をする手間を減らせる可能性があります。とはいえ、電気工事の内容によっては資格を持つ人の作業が必要で、管理上の制約がある場合もあります。
希望する家具の配置図に、照明・コンセント・通信機器の位置を書き込んで工事会社へ渡すと、設備の見落としを防ぎやすくなります。
外壁側の収納では結露や断熱にも注意する
外壁に接した収納を撤去すると、以前は収納の奥に隠れていた壁が居室に露出します。この部分に断熱材の不足や結露の跡があると、単純にクロスを貼るだけでは問題が残るおそれがあります。
とくに北側の部屋や、家具を壁に密着させる予定の場所では、湿気がこもらない配置も考えたいところです。カビの跡や下地の傷みが見つかった場合は、原因を確かめ、必要な補修をしたうえで仕上げます。
外壁そのものや断熱層が共用部分に関係する場合には、工事できる範囲の確認が必要です。見た目だけ整えることより、長く問題なく使える状態にすることを優先しましょう。
収納を撤去して後悔しないための間取りと収納計画

部屋が広くなっても、取り出した荷物の置き場所が決まっていなければ、かえって散らかることがあります。撤去によるメリットを具体的に測り、収納を失う不便さと比較することが大切です。
増える床面積より家具が置ける形を重視する
収納をなくした面積が同じでも、部屋の隅に細長い空間ができる場合と、壁面がまっすぐになる場合では使い勝手が異なります。机、ベッド、本棚など、置きたい家具の実寸を先に確認しましょう。
たとえば、収納が張り出していた角をなくして壁面が一直線になると、ベッドを壁に寄せやすくなる可能性があります。反対に、梁や柱型が残れば大型家具を置けないこともあります。
家具の幅や奥行きだけでなく、椅子を引く幅、引き出しを開けるスペース、通路も図面に描き込んでください。床面積の数字だけではわからない、実際の便利さを判断できます。
撤去する収納の中身を先に行き先別に分ける
工事前には収納内部の物をすべて出す必要があります。その機会に、日常的に使う物、季節に一度使う物、処分できる物などへ分けてみましょう。
収納の奥に置いたまま使わない物が多ければ、撤去後も困らない可能性があります。しかし、布団、季節家電、旅行かばん、防災用品などを移動する場合は、保管場所の確保が必要です。
収納を撤去してから別の部屋に大きな棚を置くと、住戸全体で見れば使える床が増えないこともあります。部屋単体ではなく、住まい全体の収納量と動線で考えることが、後悔を減らすポイントです。
可動家具やオープン棚で収納機能を残す方法もある
固定式クローゼットを撤去して、必要な場所に移動できる収納家具へ置き換える方法もあります。暮らし方が変わったときに配置を調整しやすく、壁を戻す工事をしなくて済む点が利点です。
ただし、背の高い棚は地震時の転倒対策が必要で、扉のない収納はほこりが付きやすくなります。見た目を重視するなら、家具の奥行きや色をそろえ、収納する量を無理なく管理できるか検討しましょう。
将来の売却を考える場合も、収納が少ない間取りを不便に感じる買い手がいる可能性があります。住み心地を優先しつつ、復旧のしやすさや間取りの汎用性にも目を向けると判断の幅が広がります。
収納撤去リフォームの見積もりで比較したい項目

工事内容が同じように見えても、見積書に含まれる作業が異なると金額を単純に比べられません。依頼時に条件をそろえ、追加工事が発生する場面を確認しておくことが重要です。
依頼前に写真・寸法・希望の完成形をまとめる
まず、収納の正面、内部、天井との接点、床との接点を写真に撮りましょう。幅、奥行き、高さに加え、収納扉の外側にどれだけ壁が張り出しているかも測ると、工事会社に状態を伝えやすくなります。
そのうえで、「棚だけ外したい」「側面の壁もなくしたい」「床を隣の部屋と同じ高さにしたい」といった希望を整理します。収納撤去後に置く予定の家具も伝えれば、必要以上に解体する計画を避けやすくなります。
図面が手元になくても相談は可能ですが、構造の判断や正式な見積もりには現地確認が必要になることがあります。写真だけで工事可能と断定する説明には注意しましょう。
解体・処分・復旧・管理対応を分けて見積もる
見積書には、撤去対象、廃材の運搬処分、床の下地調整、フローリング、クロス、電気設備、共用部分の養生などが明記されていると比較しやすくなります。「収納撤去一式」の金額だけでは、完成時にどこまで仕上がるかわかりません。
同じ条件で複数の工事会社に見積もりを依頼すると、金額だけでなく提案する工法の違いも把握できます。特に、構造上の制約や管理規約への対応を具体的に説明できるかどうかは、重要な判断材料です。
安さだけで選ぶのではなく、仕上げの範囲、工事後の清掃、補修の保証や不具合時の対応も確認しておきましょう。
追加費用が発生する条件を工事前に確認する
収納の解体後に、下地の傷み、古い配線、結露による劣化などが見つかることがあります。こうした問題は、表面だけを見た段階では完全に把握できない場合があります。
見積もりの段階で、想定外の下地補修が必要になった場合の連絡方法、追加金額の決め方、工期が延びる場合の扱いを決めておくと安心です。追加工事について説明を受け、費用に納得してから進めてもらうことが基本です。
工事会社に「壁や床を開けて初めてわかることは何か」と質問してみましょう。現地調査で不確定な部分を具体的に挙げてもらうと、予算に余裕を持たせるべき箇所がわかります。
マンションの収納撤去でよくある疑問

工事を検討する際に迷いやすいのが、DIYの可否や住みながらの工事、賃貸での扱いです。条件によって答えが異なるため、状況に応じた注意点を確認しましょう。
自分でクローゼットの扉や壁を撤去してもよい?
取り外し可能な収納用品を片付けることと、建物に固定された扉・枠・壁を解体することは別です。後者は思わぬ場所に配線や設備があったり、建材の調査が必要になったりするため、安易なDIYはおすすめできません。
たとえ小規模でも、管理規約上の届出や承認が必要な場合があります。電気配線を触る作業には資格が必要なこともあり、石綿の事前調査など法令上の対応も関係します。
費用を抑えたい場合は、事前の荷物整理や移動など、工事会社が認める作業だけを自分で行う方法が現実的です。建物に傷を付ける撤去作業は、構造と安全を確認できる専門家へ相談しましょう。
住みながら収納の撤去工事はできる?
小さな収納の撤去であれば、住みながら施工できる場合があります。ただし、解体時には粉じんや騒音が発生し、作業場所への立ち入りが制限されることがあります。
寝室や子ども部屋を工事する場合は、その期間にどこで過ごすか、家具や荷物をどこへ避難させるかを考えておく必要があります。床の接着剤や塗装を使う施工では、乾燥や換気に時間を要することもあります。
工事会社には、使えなくなる範囲、養生方法、作業終了後に部屋へ入れるタイミングを確認してください。日数が短いことだけで、生活への影響が小さいとは限りません。
賃貸マンションでも収納を撤去できる?
賃貸マンションの場合、建物に固定された収納を入居者の判断で撤去することは避けてください。所有者の承諾が必要になり、管理規約上の条件も別途確認する必要があります。
無断で工事すると、退去時の原状回復費用や損害賠償などの問題になるおそれがあります。広さを確保したい場合は、まず家具の配置変更、可動式の収納用品への交換など、建物を傷つけない方法を検討するのが安全です。
どうしても造作収納を変更したい場合は、工事の内容と復旧の扱いを貸主や管理会社に書面で確認してから判断しましょう。
まとめ|マンションの収納を撤去して部屋を広げるなら工事範囲と仕上げを確認
マンションの収納は、扉や棚だけでなく、撤去可能な間仕切り壁まで取り除ければ、部屋の使い勝手を大きく変えられる場合があります。ただし、構造壁や共用部分は自由に壊せず、管理規約に沿った手続きが必要です。
費用を考える際は、解体費だけでなく、床の段差解消、壁紙や天井の補修、廃材処分、共用部の養生も確認しましょう。収納をなくした後の荷物の置き場所と家具の配置まで決めておくと、広くなった空間を無駄なく活用できます。
まずは「どの壁を撤去できるか」「どこまで内装を仕上げるか」を現地で確認し、同じ完成条件で複数の見積もりを比べるのがおすすめです。広さ・収納力・費用のバランスを見て、暮らしに合う工事方法を選びましょう。



