寝室を二部屋に分ける方法|入口が一つの場合の間取り・費用・注意点

寝室を二部屋に分ける方法|入口が一つの場合の間取り・費用・注意点
寝室を二部屋に分ける方法|入口が一つの場合の間取り・費用・注意点
リビング・和室・居室

寝室を二部屋に分けたいものの、入口が一つしかなく「それぞれの部屋にどう出入りすればよいのか」と悩む方は少なくありません。壁を立てるだけでは、奥の部屋へ行くためにもう一方の部屋を通らなければならず、使いにくい間取りになることがあります。

入口が一つでも、室内に短い通路を設ける、廊下側にドアを増やす、可動式の間仕切りを使うなどの方法があります。ただし、窓・空調・面積によって向いている方法は異なります。この記事では、現実的な間取りの考え方、工事費用の目安、後悔しやすい点をわかりやすく整理します。

  1. 寝室を二部屋に分けるとき入口が一つでも工事はできる?
  2. 入口が一つの寝室を二部屋に分ける4つの間取り
    1. 入口付近に小さな共有通路を作り、左右へ分かれる
    2. 手前の部屋を通って奥の部屋へ入る
    3. 廊下側の壁にもう一つドアを増設する
    4. 引き戸や可動間仕切りで必要なときだけ分ける
  3. 仕切り壁の位置は窓・広さ・家具から決める
    1. 窓が一つなら二部屋とも寝室にできるとは限らない
    2. ベッド・収納・通路を置いた寸法で考える
    3. 窓やエアコンをまたぐ位置に壁を立てない
  4. 寝室を二部屋に分けるリフォーム費用と工期の目安
    1. 壁だけの工事が安くても個室化の総額とは違う
    2. 費用が上がりやすいのは出入口・空調・内装の追加
    3. 工期は数日から1週間程度が参考だが内容で変わる
  5. 二部屋に分けた後に困りやすい音・空調・電気の問題
    1. 会話やいびきの音を抑えるには壁と扉の両方が重要
    2. エアコン一台を二部屋で共用する前提は慎重に
    3. 照明・スイッチ・コンセントは各部屋から使える位置へ
    4. 新しい寝室の火災警報器と避難のしやすさを確認する
  6. マンション・賃貸住宅では分割工事の前に確認が必要
    1. マンションでは管理規約と共用部分の制約を確認する
    2. 賃貸住宅では原状回復できる仕切りから考える
    3. 戸建てでも耐力壁や配線がある位置は自由に開けられない
  7. 後悔しないための間取り検討と見積もりの進め方
    1. 現状の寸法・窓・入口・設備の位置を書き出す
    2. 入口の作り方を二案以上比べて提案してもらう
    3. 相見積もりは同じ条件で依頼し、追加費用を確認する
  8. 入口が一つの寝室を二部屋に分けるときのよくある疑問
    1. 6畳の寝室を3畳ずつに分けても使えますか?
    2. ドアを増やさずにプライバシーを守れますか?
    3. 窓が一つでも室内窓を付ければ問題ありませんか?
    4. 将来また一部屋に戻すことはできますか?
  9. まとめ|入口が一つの寝室は出入りの方法を先に決めよう

寝室を二部屋に分けるとき入口が一つでも工事はできる?

結論からいうと、入口が一つの寝室でも、間取りと建物の条件が合えば二つの空間に分けられます。ただし、独立した二つの寝室を作りたいのか、同じ寝室の中に二つの就寝スペースを設けたいのかで、必要な工事は大きく変わります。

家族が一緒に使う寝室を目隠しで区切るだけなら、カーテンや可動式の間仕切りで十分なこともあります。一方、生活時間の違う二人がそれぞれ個室として使う場合は、出入口を別々に確保する計画が理想的です。

まず決めたいのは「二つに見える空間」が欲しいのか、「各自が自由に出入りできる個室」が欲しいのかという点です。入口が一つの部屋では、この違いが壁の位置と費用を左右します。

固定壁で二つに分けても、片方の部屋からしか廊下へ出られない状態では、通行のたびに人の寝室へ入る必要があります。夜間のトイレ、来客、就寝時間の違いを考えると、単純に中央へ壁を立てる方法が最適とは限りません。

さらに、元の寝室に窓が一つしかない場合、仕切った後に窓のない空間ができる可能性があります。寝室としての利用を考えるなら、出入口だけでなく採光や換気の条件も含め、最初に確認することが大切です。

入口が一つの寝室を二部屋に分ける4つの間取り

入口が一つの場合、通路を室内に作るか、外の廊下から入れる入口を増やすかが大きな分かれ道です。工事のしやすさだけでなく、完成後にどちらの人も気兼ねなく出入りできるかを基準に選びましょう。

入口付近に小さな共有通路を作り、左右へ分かれる

既存のドアを入ると短い共有通路があり、その先で左右の寝室へ分かれる形です。元の出入口をそのまま使いながら、各室に内側のドアを設けられるため、廊下側の壁に新しい開口を作れない場合にも候補になります。

たとえば横に広い寝室なら、入口から奥へ少し進む動線を残し、その両側に部屋を配置する方法が考えられます。共有のクローゼットを通路に面して配置できれば、収納への出入りで相手の寝室に入る必要もありません。

ただし、通路に使う床面積の分だけ各寝室が狭くなります。部屋の形が細長いと、一方の室内にベッドを置けない、ドアを開けると家具に当たるといった問題が起こりやすくなります。二部屋へ分けた後の有効な幅まで図面で確認してください。

手前の部屋を通って奥の部屋へ入る

最も単純な分け方は、元の入口側を手前の部屋にし、奥の部屋へは仕切り壁に設けたドアから出入りする方法です。既存の廊下側の壁を変更せずに済む場合があり、工事範囲を抑えやすいのが特徴です。

しかし、奥で寝ている人が夜中に出入りすると、手前で寝ている人の睡眠を妨げます。手前の人が鍵を掛けてしまうと奥の人が出られなくなるなど、安全面・生活面の課題もあります。家具や扉が通行をふさぐ配置も避けなければなりません。

このため、長期間それぞれが独立して生活する寝室には、基本的におすすめしにくい方法です。親子などで行き来を前提にした使い方や、短期間だけ空間を分ける目的なら検討できるものの、避難経路や扉の扱いを施工会社と十分に確認しましょう。

廊下側の壁にもう一つドアを増設する

独立した二つの寝室を作る目的なら、廊下側からそれぞれ直接入れるようにするのが使いやすい形です。元の入口を一方の部屋に残し、もう一方へ新しいドアを付ければ、互いの寝室を通らずに移動できます。

ただし、廊下にドアを設ける余地があり、その位置の壁を開口できることが前提です。家を支える耐力壁や、マンションのコンクリート壁などは、自由に穴を開けられるとは限りません。壁の中の電線・配管、廊下側の収納やスイッチも影響します。

ドアの追加に加え、壁の補修、枠の取付け、廊下の壁紙張り替えなどが必要になることもあります。費用は上がりますが、毎日の動線が独立するため、長く個室として使う場合は比較する価値のある方法です。

引き戸や可動間仕切りで必要なときだけ分ける

将来また一つの寝室に戻す可能性があるなら、開け閉めできる間仕切りも選択肢になります。折れ戸や連動引き戸、間仕切り用の建具などは、普段は閉じて使い、必要なときに大きく開け放せるものがあります。

入口が一つでも、家族が共通の出入口を使うことを前提にすれば、無理に廊下側のドアを増やさずに済む場合があります。とはいえ、仕切りを閉めた状態で奥側へ出入りするには、通れる部分を確保する必要があります。

可動式は柔軟に使える反面、固定壁より音や光が伝わりやすい傾向があります。寝る時間が異なる人の個室として使う場合は、実物のすき間や遮音性、開閉時の動線を確認して判断しましょう。

分け方 出入りの独立性 向いているケース
室内に共有通路を作る 確保しやすい 廊下側に新しいドアを付けられない
手前の部屋を通る 低い 一時的な分割や家族の共同利用
廊下にドアを増やす 高い 二つの独立した寝室を長く使う
可動間仕切りを使う 配置による 将来一部屋に戻す可能性がある

仕切り壁の位置は窓・広さ・家具から決める

入口だけを解決しても、片方の寝室が暗い、狭い、暑いといった状態では使い続けるのが難しくなります。壁の位置は部屋の中央と決めつけず、二部屋になった後の条件を比べて選ぶことが大切です。

窓が一つなら二部屋とも寝室にできるとは限らない

元の部屋に窓が二つあり、それぞれの寝室へ振り分けられるなら計画しやすくなります。反対に窓が一つで、固定壁によって片方が完全な無窓空間になる場合は慎重な判断が必要です。照明を付ければ明るさは補えますが、建築上の採光条件が自動的に満たされるわけではありません。

住宅の居室には建築基準法上の採光や換気の規定があります。採光に有効な開口面積は原則として居室床面積の7分の1以上で、一定の条件下では10分の1以上まで緩和されます。単純な窓の実寸だけで判断できるとは限らず、窓の位置や周囲の状況も関わります。詳細は国土交通省の住宅の採光規定に関する案内で確認できます。

室内窓や半透明の間仕切りで隣室から光を取り込む方法は、暗さを和らげる工夫として有効です。ただし、室内窓を付ければ必ず独立した居室として認められるわけではありません。寝室としての法的な扱いを含め、設計者や施工会社に事前確認を依頼してください。

ベッド・収納・通路を置いた寸法で考える

たとえば12畳の寝室を単純に半分にすれば、それぞれ約6畳という計算になります。しかし共有通路を作ったり壁の厚みを加えたりすると、実際に家具を置ける面積はそれより小さくなります。

シングルベッドなら長さは一般に約2mあります。ドアを開ける範囲、ベッド横の通り道、クローゼットの扉を開ける余裕も必要です。収納が一方の部屋にしかない場合、衣服を取るたび相手の寝室へ入ることになり、入口を分けた意味が薄れます。

寸法を考えるときは、平面図へベッド・チェスト・机・扉の動く範囲を書き込むのがおすすめです。大きな家具の搬入経路も忘れてはいけません。壁を設けた後ではベッドフレームを室内に運べないこともあるため、分割前に搬入や組立ての方法まで整理します。

窓やエアコンをまたぐ位置に壁を立てない

窓の中央に壁をぶつけると、カーテンや窓の開閉が難しくなる場合があります。サッシの形状によっては壁を固定できる場所が限られ、外壁や窓自体の改修が必要になることもあります。窓の一部を塞いでしまう設計は、明るさや通風の面でも不利です。

エアコンの吹き出し口を壁で遮ってしまう配置も避けたいところです。既存エアコンが一方の部屋に残るなら、もう一方の部屋は冷暖房が不足する可能性があります。ベランダへ出るための窓が一つだけなら、洗濯物を干す動線や避難上の配慮についても確認しておきましょう。

窓がない側を「寝室」として新設できるかは、見た目の仕上がりとは別の問題です。採光・換気・安全性の条件は、工事契約より前に確認してください。

寝室を二部屋に分けるリフォーム費用と工期の目安

費用は「壁だけを作る」のか、「出入口や電気設備まで二部屋分にする」のかで変わります。入口が一つの寝室はドアや通路の工事が追加されやすいため、壁だけの相場を予算として考えないことが重要です。

工事内容 費用の参考目安 主な条件
固定の間仕切り壁を設ける 約12万〜30万円 長さ約3.6mの壁を新設する一般的な施工例
壁・ドア・照明・コンセントなどを整える 約50万〜80万円前後の施工例もある 既存の入口や配線をどこまで使えるかで変動
共有通路や新しい出入口を含む大きな変更 個別見積もり 壁の構造・廊下の補修・空調工事の有無で差が大きい

上記は公開されているリフォーム事例などを基にした参考値で、全国一律の料金ではありません。エアコンの新設や窓の変更を含まない事例もあるため、総額を比較するときは工事範囲をそろえる必要があります。

壁だけの工事が安くても個室化の総額とは違う

固定壁を設ける工事では、下地を組み、壁材を張り、壁紙などで仕上げるのが基本です。入口がすでに二つあり、窓や照明も分割に対応している部屋なら、比較的少ない工事で済む場合があります。

しかし、入口が一つしかない場合は、その壁の施工費だけでは問題が解決しません。二つの部屋を別々に出入りできるようにするなら、ドアの追加、共有通路の新設、壁・床・天井の補修が発生します。新しい入口を作る位置によっては配線移設や廊下の仕上げも必要です。

見積書では「仕切り壁の費用」と「二部屋として使える状態まで仕上げる費用」を分けて確認しましょう。最初の見積もりに照明やドアが入っていないと、工事の途中で予算が増える原因になります。

費用が上がりやすいのは出入口・空調・内装の追加

金額が増えやすいのは、廊下側の壁を開ける工事、ドア枠の取付け、天井裏の電気配線変更、エアコン専用回路の増設などです。特にエアコンを二部屋に一台ずつ設置する場合は、本体代だけでなく室外機置場や配管ルートも検討しなければなりません。

仕切り壁の周囲だけ壁紙を張り替えると、古い壁紙との色の違いが目立つことがあります。そのため部屋全体、場合によっては廊下まで張り替える見積もりになることもあります。見た目を重視するなら、補修範囲を図面か写真で示してもらうと判断しやすくなります。

なお、壁の内部に吸音材を追加したり、収納を新設したりする場合も費用は増えます。最初から必要な機能と後付けできる設備を分けて考えると、予算を調整しやすくなります。

工期は数日から1週間程度が参考だが内容で変わる

間仕切り壁だけなら数日程度、ドアや電気設備を含む施工例では4〜5日程度から1週間前後のものもあります。ただし、これは一般的な小規模工事の例で、廊下の大幅な変更や窓・空調工事がある場合は長くなることがあります。

工事期間中は家具の移動、養生、騒音や粉じんへの対応が必要です。寝室を毎日使用している場合は、施工中に別の場所で寝られるかを先に考えておくと安心です。マンションでは作業時間や資材搬入に制限があり、実働日数だけでなく管理上の調整も必要になる場合があります。

見積もりでは金額だけでなく、工期、工事中に寝室を使えるか、家具移動を誰が行うか、追加費用が発生する条件までセットで確認しましょう。

二部屋に分けた後に困りやすい音・空調・電気の問題

仕切った直後は満足していても、実際に寝始めると不便が見つかることがあります。寝室は睡眠を妨げないことが大切なので、見た目だけでなく音・温度・照明を独立して調整できるかを確認します。

会話やいびきの音を抑えるには壁と扉の両方が重要

二つの寝室を使う人の就寝時間が違う場合、いびき、スマートフォンの音、アラーム、話し声が気になることがあります。固定の間仕切り壁は布や簡易パネルより音を抑えやすいものの、一般的な壁を作るだけで完全に音が聞こえなくなるわけではありません。

壁の内部に吸音材を入れる、壁材の構成を工夫する、壁と床・天井のすき間を適切に処理するなどで改善を図れる場合があります。反対に、共有通路のドアに大きなすき間があれば、壁を厚くしても音が伝わりやすくなります。

開閉できる間仕切りは便利ですが、気密性や遮音性は製品ごとに異なります。「就寝時に人の声がどの程度聞こえるか」が気になるなら、防音仕様の有無と施工範囲を具体的に相談してください。

エアコン一台を二部屋で共用する前提は慎重に

仕切りを閉めると空気の流れが変わるため、もともと一台で十分だったエアコンでも、片方は暑く、もう片方は冷えすぎることがあります。室内窓や欄間で空気を動かす方法もありますが、温度をそれぞれ自由に調整できるとは限りません。

各部屋にエアコンを付ける場合は、屋外まで配管を通せるか、専用の電源を確保できるか、室外機を置けるかを確認します。とくにマンションでは外壁の穴開けや室外機設置に制約があるため、室内の壁が作れても空調の追加が難しい場合があります。

就寝人数が増えると湿気や二酸化炭素の発生量も変わります。エアコンは一般に換気設備の代わりにはならないため、換気経路や既存の24時間換気の給気口が仕切りによって遮られないかもチェックしましょう。

照明・スイッチ・コンセントは各部屋から使える位置へ

元の寝室の中央に照明が一つしかないと、仕切り壁の位置によっては片方に照明がなくなります。また、スイッチが一方の寝室の入口にしかないと、もう一方の人が消灯しに行くたびに部屋を通る必要が生まれます。

それぞれの寝室で天井照明を操作できるようにし、ベッド付近にはスマートフォンの充電、机の近くにはパソコンなど、使い方に合わせてコンセントを計画すると便利です。延長コードだけで不足を補おうとすると、足を引っ掛けたり電源が集中したりする心配もあります。

コンセントの新設や屋内配線の変更など、資格が必要な電気工事を無資格で行ってはいけません。電気工事士制度については経済産業省の案内も確認できます。工事の相談時に、照明と電気配線を含めた見積もりを依頼しましょう。

新しい寝室の火災警報器と避難のしやすさを確認する

寝室を新しく分ける際に見落としやすいのが住宅用火災警報器です。消防庁は、基本的に寝室と寝室がある階の階段上部への設置が必要と案内しています。自治体の条例によって追加の設置場所が定められる場合もあるため、消防庁の住宅用火災警報器Q&Aと地域の消防署の案内を確認しましょう。

既存の警報器が一つしかないなら、分割後に各寝室で必要な位置へ設置する計画が必要です。器具の位置だけでなく、夜間に非常事態が起こったとき、どちらの人も速やかに室外へ移動できるかを確かめてください。

とくに手前の寝室を通過しなければ奥から出られない間取りは、家具や鍵の扱いによって危険が大きくなります。家族の年齢や身体状況も考え、無理な行き止まりを作らないようにしてください。

マンション・賃貸住宅では分割工事の前に確認が必要

同じ間取りでも、戸建てとマンションでは工事できる範囲が異なります。賃貸住宅では所有者の承諾も必要になるため、「室内の工事だから自由にできる」と考えないほうが安全です。

マンションでは管理規約と共用部分の制約を確認する

マンションで間仕切り壁を設けるだけの工事は可能な場合がありますが、事前の申請や承認が必要かは管理規約・使用細則によって異なります。国土交通省のマンションの室内リフォームに関するQ&Aでも、管理組合や管理会社へ相談することが案内されています。

特に廊下側にドアを追加したいときは、その壁が専有部分の間仕切りなのか、建物の構造に関わる壁なのかで可否が変わります。コンクリートの構造壁、外壁、共用設備などは、住戸の内側にあるように見えても自由に加工できない場合があります。

工事の申請書類や図面、作業時間、騒音の事前周知なども確認してください。管理上の条件を満たさないと希望日に着工できないことがあります。

賃貸住宅では原状回復できる仕切りから考える

賃貸の寝室を二つに分けたい場合、壁を固定したりドアを増設したりする前に、貸主や管理会社へ確認する必要があります。許可なく壁や天井へ穴を開けると、退去時に原状回復や費用負担を求められる可能性があります。

工事を避けたいなら、家具の配置、突っ張り式の仕切り、カーテンなどが候補です。ただし突っ張り式でも天井や床を傷めたり、設置条件に合わず転倒したりする危険があります。製品の設置条件と賃貸契約を確かめたうえで使用してください。

このような簡易的な仕切りは、独立した寝室を正式に増やす工事とは目的が違います。通風や出入りを妨げないようにし、火災時の避難経路を塞がない配置を優先しましょう。

戸建てでも耐力壁や配線がある位置は自由に開けられない

戸建て住宅でも、廊下に面する壁を壊して入口を増やせるとは限りません。建物を支える耐力壁や筋交いのある部分を切り欠く工事は、構造安全性に影響するおそれがあります。図面を確認し、必要に応じて専門家に現地調査を依頼してください。

また、壁の内部には電線や配管が通っていることがあります。収納の背面やスイッチの近くへドアを作りたい場合には移設工事が必要になるかもしれません。単純に空いて見える壁でも、解体してよいかは目視だけでは決められません。

壁を新設する場合も、天井や床に十分な固定下地があるかを確認する必要があります。特に背の高い可動パネルや収納家具で仕切るなら、転倒防止を考えた設置方法を選んでください。

後悔しないための間取り検討と見積もりの進め方

リフォームの満足度を高めるには、最初に完成後の生活を具体的に想像し、その条件を図面と見積もりに反映させることが大切です。金額だけで決めず、二人が毎日無理なく使えるかを確認しましょう。

現状の寸法・窓・入口・設備の位置を書き出す

まず、寝室の縦横の長さ、入口ドアの位置と開く方向、窓の数と幅、クローゼット、エアコン、照明、スイッチ、コンセントの位置を簡単な図に書き込みます。建物の図面があれば、施工会社に見せると検討を進めやすくなります。

あわせて、それぞれの部屋を誰が使い、何を置きたいかを整理します。大人二人が別々に就寝するのか、子どもの成長に合わせた一時的な分割なのかによって、求める遮音性も変わります。将来、一部屋に戻したいかどうかも重要な条件です。

寸法が不明なときは、おおよその部屋の広さだけで無理に判断せず、現地で測ってもらいましょう。壁の厚みやドア枠の分だけ、図面上の面積より狭くなる点も考慮します。

入口の作り方を二案以上比べて提案してもらう

施工会社には「入口が一つなので、共有通路を作る案と廊下へドアを増やす案を比較したい」のように、希望を具体的に伝えるとよいでしょう。入口増設が難しい場合は、可動間仕切りや壁の位置をずらす案も含めて相談できます。

比べるときは、工事費用だけでなく、完成後の部屋の広さ、音の伝わり方、窓の使いやすさ、収納の出入り、エアコンの設置場所などを並べて考えます。とくに共有通路を作る案は、独立性が高い反面、寝室が小さくなることがあるため寸法入りの図面が役立ちます。

また、工事前に二部屋として使用する際の採光・換気・警報器の確認が済んでいるかも聞いてください。構造や法令上の問題がある案は、費用が安くても採用すべきではありません。

相見積もりは同じ条件で依頼し、追加費用を確認する

見積もりを比べるなら、壁材の仕様、ドアの数、壁紙の補修範囲、照明・コンセントの増設箇所、エアコン工事の有無を統一することが重要です。条件が異なる見積もりでは、単純な総額の比較ができません。

「一式」とだけ書かれている項目は、どこまで含まれるか確認しましょう。家具移動、廃材処分、養生、既存設備の移設、工事後の清掃などが別料金になっていないかも見ておくと安心です。現地調査後に内容が変わる場合の連絡方法も決めておきます。

複数の施工会社へ同じ図面と希望条件を伝えると、提案の違いが比較しやすくなります。単に一番安い会社を選ぶのではなく、入口の独立性と安全性まで説明できるか、追加費用の条件が明確かを重視しましょう。

見積もり依頼時は「既存の入口一つを利用」「二人が別々に出入りしたい」「窓とエアコンの位置は現状のまま」など、変えたい条件と変えたくない条件を分けて伝えると、提案の差を比較しやすくなります。

入口が一つの寝室を二部屋に分けるときのよくある疑問

分割の方法を決める段階で、費用だけでなく暮らしやすさや将来の変更についても疑問が出てきます。特に確認されやすい点を整理します。

6畳の寝室を3畳ずつに分けても使えますか?

仕切りを設けること自体は検討できますが、約3畳の空間にベッドを置くと、通り道や収納を確保しにくくなる可能性があります。入口が一つなら共有通路も必要になる場合があり、単純に3畳ずつの個室ができるとは限りません。

ベッドの配置やドアの開き方まで確認して、無理があるなら、完全な二部屋よりも寝る場所だけをゆるやかに区切る方法を考えるほうが実用的です。窓や換気など、寝室としての条件も別に確認する必要があります。

ドアを増やさずにプライバシーを守れますか?

視線だけを遮る目的なら、カーテンや家具の配置、引き戸で工夫できます。しかし、出入口が一つで手前のスペースを通る構造では、他の人に気兼ねなく出入りするという意味でのプライバシーは確保しにくくなります。

就寝時間が違う場合は、明かりや音も問題になります。二人それぞれの独立した寝室が必要であれば、共有通路か廊下側の別入口を優先して検討しましょう。

窓が一つでも室内窓を付ければ問題ありませんか?

室内窓は隣の空間から光や風を取り込み、暗さや閉塞感を減らす工夫にはなります。ただし、それだけで建築基準法上の採光・換気の条件を満たしたと判断できるわけではありません。

完全な独立寝室を二つ作りたい場合は、外部に面した開口部の位置や有効な面積、換気設備の状況を確認することが必要です。実際の設計条件を示して専門家に相談してください。

将来また一部屋に戻すことはできますか?

将来の再統合を前提に作った非構造の間仕切り壁や可動式の仕切りであれば、元に戻しやすくなることがあります。ただし、壁を撤去すると床・天井・壁紙に跡が残り、補修費用がかかる点は考えておきたいところです。

電気配線やスイッチを仕切り壁の中に設けた場合、撤去時の配線処理も必要になる場合があります。長く使わない予定なら、最初から撤去しやすい仕様と復旧範囲を施工会社に相談しておくと判断しやすくなります。

まとめ|入口が一つの寝室は出入りの方法を先に決めよう

まとめ
まとめ

入口が一つの寝室を二部屋に分けることは、建物や間取りの条件が合えば可能です。ただし、壁を中央に立てるだけでは、奥の部屋へ行くために手前の寝室を通らなければならず、独立した個室としては使いにくくなることがあります。

長く二つの寝室として使うなら、共有通路を作るか、廊下側に二つ目の入口を設ける案を優先して検討するのがおすすめです。一時的に寝る場所を分けたいだけなら、可動式の間仕切りやカーテンのほうが目的に合う場合もあります。

最終的には窓・換気・空調・照明・火災警報器まで含め、二部屋とも安全で使いやすいかを確かめることが大切です。見積もりを依頼するときは、壁の施工費だけではなく、入口と設備を含めた完成形の費用を比較しましょう。

タイトルとURLをコピーしました